大量のデータをやりとりするスマートフォン(多機能携帯電話)の急速な普及で、第3世代携帯電話(3G)の
回線が数年内にもパンクする恐れが出てきた。米国ではデータ通信料の「定額制」を見直す動きが出ており、
国内の携帯各社もこの問題への対応を迫られつつある。
スマートフォンは大容量の動画やゲームを手軽に楽しめるのが魅力。だが「従来の携帯と比べると1人当たりの
通信量が10~20倍」(KDDI)にもなるため、通勤ラッシュ時や人が集まる駅周辺などでは現在でも、
回線がデータをさばききれず通信速度が遅くなる問題を抱えている。
米アップルの「iPhone(アイフォーン)」でブームのけん引役となったソフトバンクモバイルの孫正義社長は、
7月末の記者会見で「(他社より先に)通信が遅い、つながらないという問題が顕在化している」と話した。
同じ問題を抱える米国では通信大手のベライゾン・ワイヤレスがデータ通信の定額制を廃止し、使用量に応じて
料金を徴収する従量課金制に切り替えた。孫社長は米国の動きを念頭に「料金体系を含めて(通信量を)
管理していかないといけない」と指摘。同社は定額制の見直しの是非を検討しているという。
NTTドコモは、昨年12月に始めた次世代の高速通信サービス「Xi(クロッシィ)」を普及させることで、この問題に
対応したい考えだ。3G回線の利用者が一定程度Xiに移れば3Gの混雑を緩和できるという。
同社は3Gの定額制は維持する戦略だが、Xiは「データ通信量が一定に達すると料金が上がるようにしたり、
スピードが遅くなるようなことを考えている」(山田隆持社長)。
携帯各社は、仮に定額制が修正されても、料金が上がるのは、つなぎ放しで使うような一部のヘビーユーザーに
限られると推測している。しかし、一般利用者にも定額制が受け入れられているのは事実で、安易な廃止
は顧客離れにつながりかねない。業界の激しい競争もあり、各社には頭の痛い問題だ。