米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による米国債格下げの波紋が広がるなか、
同社の国債格付け責任者のジョン・チェンバース氏(55)が注目を集めている。
経済と無縁の英文学を専攻し、水泳選手として名をはせた経歴も米メディアの関心を集めている。
7日付の米紙ニューヨーク・ポストは、
「米国の国際的信用を破壊したのは、経済学を勉強したこともないニューヨーカーだ」として、
チェンバース氏の人となりを特集。
チェンバース氏の手のひらに地球が載っている合成写真を添えて、
「英文学の修士号を持つチェンバース氏の決定に、世界経済が多大な影響を受けている」
と皮肉った。
同紙の取材に、S&Pは「当社にはさまざまな経歴を持ったアナリストがいる」と
“反論”している。
チェンバース氏は米カンザス州の出身。
イリノイ州の大学で文学と哲学を専攻し、ニューヨークのコロンビア大でも英文学を修めた。
就職した銀行で副社長まで上り詰め、S&Pに移籍した。
同紙は、チェンバース氏の住まいや家族構成、ペット(犬が2匹)といった細かい個人情報にも触れ、
「大学の水泳部時代は1000メートル自由形で歴代8位の記録を残した」エピソードも
紹介している。
米国債の格下げに対してはオバマ政権が批判。
金融市場の混乱を招いたこともありウォール街からも恨み節が漏れるが、チェンバース氏は
ひるむ様子がない。8日には、財政赤字を削減する議会の超党派協議が不調に終わった場合、
「さらなる格下げもあり得る」と警告した。
格付けをめぐっては、結果だけが大きく取り上げられ、その手法やプロセスは外部から見えにくい
との指摘も聞かれる。
米紙ニューヨーク・タイムズのルイーズ・ストーリー記者は、米FOXテレビのインタビューに対し、
「S&Pもそうだが、格付けが市場に多大な影響を与えているのに、担当者の情報やその作業は
秘密に包まれている」と疑問を投げかけている。