自民党の石原伸晃幹事長「月内に首相指名選挙までやれ」
民主党の岡田克也幹事長「分かった」
3党幹事長会談で岡田氏は野党幹事長の要求を当たり前のように受け入れた。
民主党は自民、公明両党との3党合意で、マニフェスト(政権公約)という平成21年衆院選の金看板をなりふり構わず降ろした。党内の反発など考えず、とにかく菅直人首相の退陣に道筋をつける。そのことが全てに優先されていた。
岡田氏の発言も変わった。これまで「辞めると思う」としてきたが、この日は「『思う』のではなく、辞めるときは辞める」と断言した。
「だいぶ前進した。苦労をしただろうけど、よくやってくれた。自民党もよく飲んだな」
9日夜、首相官邸で3党合意について説明を受けた首相は、こう言って岡田氏をねぎらった。「前進」はしたものの、退陣3条件の全てが整ったわけではないと言いたかったのだろう。
民主党執行部は8月下旬までに特例公債法案、再生エネルギー法案を成立させ、28日の党代表選で次期首相を選ぶ考えだ。週内に両法案を衆院通過させ成立を確実にするには、9日がギリギリだった。
残る恐怖は、それでも首相が辞任しないという悪夢のシナリオだ。3党合意に先立つ9日午後の長崎市内での記者会見では、国連が9月22日にニューヨークで開く原子力首脳級会合への出席に含みを残したのだ。
「国として積極的に参加するのは当然だ。具体的にどの会議に、私がどうするは現在、検討している」
辞めるのかしないのか-。首相は9日夕、首相官邸で記者団から辞任するのかと問われ、いったん返答をためらったが、「これまで自分が言ったことについては、ちゃんと責任を持ちます」と答えた。
だが、党内の多くが首相の言葉を信用していない。首相退陣を求める署名活動を進める長島昭久衆院議員ら中間派の「国益を考える会」は盆明けから閣僚に一斉辞任を促す考えだ。
首相から退陣の確約を得ないままマニフェスト見直しを受け入れた執行部。ある閣僚は吐き捨てた。
「岡田はアホだ。あんなに譲ることはないんだ。自公両党と連立を組んでからやればいい話じゃないか」