8日の米国株式市場は急落。リセッション(景気後退)への懸念が高まる中、米国債の格下げを受けて投資家心理が一段と悪化した。

 不安の高まりから売りが拡大し、S&P500指数は2008年12月以来の大幅な下落率を記録、全銘柄が下落して取引を終えた。

 ノーザン・トラストのアクティブ・エクイティーズ部門責任者マシュー・ペロン氏は「これまでよりもはるかに混乱した売りが見られる」と述べた。また、米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>の急上昇から判断すると、市場は「パニックモード」入りしているとの見方を示した。

 債務増大や景気減速の問題に米政府は対処できていないとの見方が売りにつながり、オバマ大統領によるこの日の演説中に株式市場が下げ足を速めたことは、こうした見方を裏付ける格好となった。

 VIX指数は50%上昇し、48をつけた。同指数が40の水準を超えるのは2010年5月以来。 

 ダウ工業株30種<.DJI>は634.76ドル(5.55%)安の1万0809.85ドル。昨年11月以来の1万1000ドル割れとなった。

 ナスダック総合指数<.IXIC>は174.72ポイント(6.90%)安の2357.69。

 S&P総合500種<.SPX>は79.92ポイント(6.66%)安の1119.46。

 ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、ナスダックの3市場の出来高は175億株と極めて高い水準となり、昨年の1日平均84億7000万株を大幅に上回った。

 S&Pの10セクター指数は軒並み3.5%超下落したが、景気に敏感な銀行、商品セクターなどの下げが目立ち、S&P金融株指数<.GSPF>は10%安、エネルギー株指数<.GSPE>は8.3%安。個別銘柄ではバンカメが20.3%急落した。 

 アナリストの間では、最近の株価急落を受けて一部の銘柄は値ごろ感が出ているとの指摘も聞かれ、チャールズ・シュワブの市場・セクターアナリスト、ブラッド・ソレンセン氏は「過去の株価下落をベースに判断した場合、最近の下げの大きさと速さを踏まえれば、比較的売られすぎとなった領域で株価が回復しても意外ではない」との見方を示した。