米航空宇宙局(NASA)は4日、火星表面に水が流れていることを示す証拠を初めてつかんだとする論文を、
米科学誌サイエンス(Science)に発表した。

2006年に観測を始めた火星探査機「マーズ・リコネサンス・オービター(Mars Reconnaissance Orbiter、MRO」
の高解像度カメラ「HiRISE」による画像を分析したところ、火星における過去3年の春・夏期に7か所で
水の流れのようなものを「数千本」確認したという。

南半球の中緯度にあるニュートン(Newton)クレーターの画像を時系列で見ると、複数の険しい崖で指状の印が拡大していき、
気温の低い季節が訪れると徐々に消滅していた。

このような流れが見られる場所がほかにも20か所存在する可能性があるという。

画像分析班の責任者、米アリゾナ大(University of Arizona)のアルフレッド・マキューエン(Alfred McEwen)氏は、
今回の発見はあくまでも「状況証拠」であり、直接的な証拠が得られたわけではないと強調。
「今後の火星探査ミッションや実験で確証が得られるだろう」と期待を示した。

いずれにせよ、科学者たちは火星表面の川そのものより、地下の活動に注目しているようだ。
マキューエン氏は、透明であるはずの水の流れが黒々としていたことから、地下に塩水が流れていて、
地表を水の流れが黒くなるような外観に変えている可能性を指摘した。

これまでに火星の高緯度地帯の一部で、凍った水が発見されている。火星の歴史を通じて
水が火星表面と相互作用してきたことを示す証拠も見つかっている。