8月4日(ブルームバーグ):米株式相場は急落。S&P500種株価指数の下げは2009年2月以来で最大となった。世界経済が弱まりつつあるとの懸念が強まり、世界株安の様相を呈した。
  S&P500種構成銘柄のうち、株価が上昇したのはわずか3銘柄。アルファ・ナチュラル・リソーシズやギャップなど13企業が10%を超える下げとなった。ギャップの7月売上高は予想を下回った。S&P500種を構成する主要10業種全てが大幅に下落。エネルギー、素材、資本財株が特に下げた。日本の円売り介入を受けて、ドル建てで取引される商品の相場が下落。これを背景にシェブロンとアルコアは大幅に下げた。
  S&P500種株価指数は前日比4.8%安の1200.07と8カ月ぶり安値。7月22日からは11%の下落。同期間の下げ幅としては、2009年3月9日に強気相場入りして以来の最悪となった。ダウ工業株30種平均は512.76ドル(4.3%)下げて11383.68ドル。年初来でマイナスに転落した。
  アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフマーケットストラテジスト、デービッド・ジョイ氏(ボストン在勤)は電話インタビューで、「感情的な動きが大きくなっている。誰もが悪い状況だと意識している」と指摘。「欧州の状況が市場の懸念を高めた。日本の為替介入の影響もある。質への逃避が膨らむだろう」と述べた。
           「ムードは暗い」
  4日の金融市場では世界的に株式相場が下落。一日の下げとしては09年3月以来の最悪となった。世界の株式指標は今年5月に付けた年初来高値の下げが10%を超えた。リセッション(景気後退)に逆戻りするとの懸念が広がる中、調整局面に入った。先進国と新興国の株式指標であるMSCIオールカントリー世界指数は4.1%安の311.60。5月2日の高値から13%下落した。
  UBSウェルス・マネジメント・アメリカスのチーフ投資ストラテジスト、マイク・ライアン氏は電話インタビューで、「現在のムードは暗い」と指摘。「リセッションに陥っていないことを証明するには良好な統計が必要だ」と述べた。
  米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週とほぼ同水準にとどまり、雇用市場の低迷を示唆している。統計発表後の米株価先物指数は安値で推移した。
  7月の米雇用統計についてブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想中央値では、非農業部門の雇用者数は前月比で8万5000人増。9%超の失業率は下がらない見通し。
        「失望誘えばさらに大幅下落へ」
  UBSのライアン氏は、「5日の雇用統計が極めて重要になる。再び失望される内容となれば、株式相場は現在の水準からさらに大きく下落するだろう」との見通しを示した。
  株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)はこの日、07年2月以来最大となる35%上昇して31.66をつけた。S&P500のこの日の取引レンジは4.8%と、フラッシュクラッシュが起きた10年5月6日以来で最大となった。
  マーケットフィールド・アセット・マネジメント(ニューヨーク)のマイケル・ショール氏は「フラッシュクラッシュではない」と言明。「単純明快な株と商品の手じまい売りだ」と述べた。
  S&P500種ではエネルギーと素材株が著しく下げた。米2位の石油会社、シェブロンは5.8%安の96.84ドル。米アルミ最大手のアルコアは9.3%下げて12.94ドル。
          上昇した3銘柄
  米衣料品大手のギャップは12%安の16.98ドル。この日の同社の発表によれば、7月の既存店売上高は5%減少し、アナリスト予想の0.6%減より大きく落ち込んだ。
  S&P500種構成銘柄のうち、株価が上昇したのはわずか3銘柄。米モトローラからスピンオフ(分離・独立)した携帯端末メーカー、モトローラ・モビリティ・ホールディングスは3.6%高の23.09ドル。建築資材のバルカン・マテリアルズは1.6%上げて33.54ドル。サンフランシスコに本社を置く公益事業のPG&Eは0.4高の40.65ドルとなっている。