米連邦債務の上限引き上げ問題をめぐる民主党と共和党の隔たりはこれまでになく大きく、市場は米国がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性や格付けが引き下げられるリスクに身構えている。
以下は同問題をめぐる26日の展開。
*米大統領上級顧問のデビッド・プラフ氏、CNNとのインタビューで、債務上限引き上げに関する与野党の案には類似点が多いとの認識を示す。
*米大統領首席補佐官のビル・デーリー氏、「多くの案が上がっているが、一部の人々が懸念しているデフォルトは起こらないと確信している」と発言。
*ホワイトハウス、行き詰まり打開のため議会のメンバーと水面下で交渉を続けていると発表。
*ロイターが過去2日間に実施した調査によると、エコノミスト53人中30人は、米国が3大格付け会社(スタンダード&プアーズ、ムーディーズ、フィッチ)のうち少なくとも1社の最上級格付けを失うと予想。また、大半は、この問題をめぐる与野党の対立が既に米経済に悪影響を与えていると回答。
*ロイターと調査会社イプソスが実施した世論調査で、56%の米国民が、オバマ大統領や民主党の推す歳出削減と増税を組み合わせた財政赤字削減と債務上限引き上げのアプローチを支持していることが判明。
*ホワイトハウス、合衆国憲法修正第14条について、デフォルト回避に向けた選択肢とはならないとの認識を示す。
*ワシントンでの交渉の行き詰まりは既に市場にも影響を及ぼす。市場には、長期投資離れと投資家が資金を引き揚げ始めている兆候。
ドルは26日の市場で幅広い通貨に対して下落し、原油は小反発。金は安全資産を求める買いから過去最高値近辺で推移し、ニューヨーク株式は債務協議の難航が引き続き重しとなり続落。
*国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事、米国に対し債務上限引き上げをめぐる政治的こう着を速やかに打開するよう求め、解決されなければ世界経済に深刻な結果をもたらすと警告。
*米貨物輸送大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)(UPS.N: 株価, 企業情報, レポート)、四半期決算発表で慎重な経済見通しを示し、債務協議の行き詰まりを理由に挙げる。同社株は3.3%下落して終了。
*共和党のベイナー下院議長、27日と予想される採決に向けて独自の赤字削減案への支持集めに奔走。オバマ大統領が拒否権を発動する構えであるほか、身内の共和党内の財政保守派からの反対もあり、成立は望み薄のもよう。
*大手金融機関は、米国が最上級の信用格付けを失う現実的な可能性に備える。米証券業金融市場協会(SIFMA)のメンバーは、格下げがあれば米国債利回りは長期的に最大70ベーシスポイント(bp)上昇する可能性があると予想。「米国の資金調達コストが長期的に1000億ドル程度膨らむ可能性があることを意味する」との見解を示す。