現在、富士山周辺では大小の地震活動が活性化しており、気象庁も「富士山の火山活動が始まっている」ことを公式に認めています。

心配される噴火ですが、「ただちに噴火に結びつく兆候はない」という気象庁の見解がある一方、「噴火が視野に入っている」という学者達もここに来て目立つようになっています。

富士山噴火と東海地震はセットで語られることが多いです。実際、江戸時代には3連動(東海・東南海・南海)の宝永地震が発生した49日後に富士山・宝永噴火が起きており、そうしたイメージを持ちやすいです。

ただ、富士山と東海地震の歴史的関わりを調べてみますと、かならずしも「連動」しているわけではありません。

特に、「溶岩」を流すような大規模噴火が起きる「本格的活動期」に入った場合は、「東海地震が起きない」ことがはっきりとわかります。

宝永噴火は火山灰が中心で、溶岩は噴火の最後に火口丘を作る程度にとどまっており、富士山噴火の歴史の中では大変珍しいタイプの噴火と言われています。

つまり、宝永型の「火山灰(のみの)噴火」は富士山の歴史では例外中の例外で、過去の噴火の大部分は、真っ赤な溶岩を噴き上げるタイプなのです。

数百年に1度の定期的な溶岩吹き上げが無ければ、これだけ高くそびえ立つ流麗なフォルムは維持出来ず、風化によって山肌は崩れ、いびつな形になっていることでしょう。

富士山の美しさは、溶岩流と表裏一体の関係にあるのです。

宝永噴火の際、溶岩の吹き上げが見られなかったのは、東海地震(3連動地震)により地殻のストレスがある程度抜けていたから、という見方も出来ます。

ですから、もし近い将来富士山の噴火があると仮定した場合、木村教授のいう「地震の目」が東海地方にあるかどうかで、富士山の噴火形態(火山灰か溶岩か)も変わってくると言うことです。