今回の東日本大震災は、ある意味で非日常的な突発事象であり、それへの政策対応も
非日常的なものになることは当然です。しかし、その場合でも、具体的な政策を講じる際に
経済や社会の原理原則を無視してはけないのではないでしょうか。

 例えば、東北の“復旧”は国が全面的に乗り出して行なうべきであるのに対して、
“復興”は地元の自治体や民間が中心となって行なうべきです。
東北の復旧・復興に向けて多額の財政出動が必要になるからこそ、
政府のムダな予算は思い切って削減すべきですし、大きな政府にならないよう慎重であるべきです。

 同時に、東北の復旧・復興ばかりに注力してもダメで、既に原発事故による放射能漏れや
計画停電により経済全体が大きな影響を受けていることを考えると、増税による財源捻出は論外です。
また、TPPなどの世界の動きは日本を待ってくれないことも考えると、
復旧と復興と改革を一体的に推進することが必要です。

 ここで紹介した政府内での3つの水面下の動きは、明らかにこうした原理原則を無視した、
震災を奇禍とした政府の焼け太りと言わざるを得ません。

 そして危ないのは、与党の民主党のみならず、野党の自民党もこうした動きに
前向きであるということです。震災という非日常的な出来事の前に、政治家が原理原則を忘れてしまい、
震災前の時点で復活していた官僚主導を更に強化しようとしているのです。

 このような状況で仮に大連立が実現したら、震災を奇禍とした政府の焼け太りが更に続き、
“大きな政府”どころか“過度な政府”となってしまいます。
メディアも、震災や原発関連の報道ばかりに忙殺されず、政府の焼け太りにも注視すべきではないでしょうか。