東日本大震災の影響で日本人の消費者心理が変わり、ブランド離れがさらに加速しそうだ。
フェラガモなどイタリアの老舗からは「日本復活」を望む激励が絶えない。だが、阪神大震災では
3カ月で正常に戻ったものの「今回ははるかに厳しい」との声が聞かれる。

イタリアにとり日本は重要な輸出相手国で、総額約5400億円(09年)。品目を見ると、
繊維、衣料品、皮革製品、つまりブランド品が全体の約3割を占めるが、過去5年の売り上げは
年5~10%の割で減り続けてきた。

約170社加盟の在日イタリア商工会議所のフランチェスコ・フォルミコーニ会長(47)は
「大震災の影響でイタリアのブランド品の11年上半期の売り上げは前年比で3~5割減る」とみている。

「今回は原発事故による停電、放射性物質による汚染の被害で繁華街への人出が半減した上、
自粛のムードも加わり、回復には時間がかかる」と言う。2、3割減で済みそうな関西地区がいつ上向くか、
ブランド業界は注視しているという。

ジョルジオアルマーニジャパンの代表でもある会長は、日本からの撤退や縮小について「あり得ない」と即答する。
「目が確かで洗練された日本の顧客に売るのは難しい。その分、世界の流行を占うカギにもなるからだ。
売り上げが落ちても日本に居る価値はある」と話す。

商工会議所のイタリア人会員約120人の中には一時、関西や海外に避難した人もいるが「現在は全員、
東京に戻っており、真っ先に避難したフランス企業とは違い、我々はほとんどの店で営業を続けている」と語る。

サルヴァトーレ・フェラガモ社(ミラノ)のフェルッチョ・フェラガモ社長(65)の話 亡父サルヴァトーレが社長の
時代から日本との絆は深い。日本に66店舗、約400人の社員を抱える私たちが震災直後も営業をやめなかったのは、
日本に対する敬意であり、被災者に寄り添いたいと思ったからだ。日本人は当分、より重要なものに目を向け、
ブランド市場は停滞するだろうが、上品で規律正しく常に前進する日本人は必ずブランドの世界に戻ってくると信じている。