福島第1原発の事故で、東京電力は3日、2号機の立て坑「ピット」にたまった放射能に汚染された水がコンクリートの亀裂から海に流れ込むのを防ぐため、
吸水ポリマーと呼ばれる樹脂などを投入した。水を吸ったポリマーなどで流路をふさぐ計画だったが、同日夕の段階で水量は減っておらず、作業は難航して
いる。東電は4日朝にあらためて効果の有無を判断する。
東電などによると、ピットは2号機の取水口近くにあり、亀裂から海に直接汚染水が流れ込んでいる。電線管が通る地下の「管路」を通じ、2号機タービン建屋
地下や配管用のトンネル(トレンチ)の汚染水が流入しているとみられる。
東電は2日、亀裂をふさごうとピットにコンクリートを注入したが、流れ込む水が多く固まらなかった。このため、3日にピットから20メートル離れた管路とトレンチ
の接続点付近に穴を掘り、吸水ポリマー8キロと、効果を高めるためのおがくず60キロ、ごみ袋3袋分のちぎった新聞紙を投入。管路の穴などをふさいで水
を止めようと試みた。
しかし、同日夕までに海への漏水は減らなかった。東電の担当者は「投入した物は管路の途中でとどまっている」と話し、様子をみるとしている。
管路は幅1・1メートル、高さ0・9メートル。コンクリートで固められ、中に直径10センチ程度の電線を通す穴が9つある。断面はレンコン状で、水はこの穴を
通っているとみられる。
一方、政府は放射性物質拡散を防ぐため、原子炉建屋を特殊なシートで覆う工事に着手することを決めた。政府関係者によると、大手ゼネコンが提案。馬淵
澄夫首相補佐官らのチームが検討し、東電に実施を指示した。
特殊シートには、原子力の専門家などから「内部の放射線量が高まり、作業が危険になる」「生コン圧送機の使用が難しくなる」といった批判もある。
1~3号機ではこの日、炉心に真水を注入する仮設ポンプの電源を外部電源に切り替えた。
廃棄物を処理する集中環境施設の建屋にたまる汚染水は、4号機のタービン建屋地下に移しはじめた。
<吸水ポリマー> 紙おむつなどに使われているのと同様の素材でプラスチックの一種。小さな部屋をたくさん持つ構造で水に触れると部屋が広がって、水を
その中に入れる。1グラムで0・5~1リットルの水を吸うことができ、体積は大きく膨張する。もともとは粒状をしており、水を含むとゼリー状になる。