東日本大震災を受け、食品業界を中心に海外からミネラルウオーターの輸入を増やす動きが
拡大している。
東京電力福島第1原子力発電所による放射性物質の拡散により、被災地だけでなく、首都圏でも
ミネラルウオーターの需要が急増したためだ。
国内に増産余地が乏しいなか、日本になじみの薄い硬水タイプの輸入も始まった。

日本コカ・コーラは、米コカ・コーラの韓国現地法人からミネラルウオーターを緊急輸入する。
第1便は5日、1.8リットルのペットボトル約1万8千本を空輸で秋田空港に送り、すべて
被災地へ無償提供する。今後、首都圏での店頭販売分も含め、
100万ケース(1.8リットル換算で12本入り)を輸入する考えだ。

大塚食品は、「クリスタルガイザー」を製造するグループ会社の米CGロクサーヌ
(カリフォルニア州)に増産を要請。船便のため、日本到着までに約1カ月半かかるが、
キリンビバレッジも「ボルヴィック」を仏ダノンに追加発注し、続々と日本に届けられる見込みだ。

各社が最初に輸入を決めたのは硬度の低い軟水。
日本では軟水が多いことに加え、粉ミルクを溶くために使う場合、ミネラル分が多い硬水は
乳児の腎臓に負担を掛けるとされているためだ。
しかし、福島第1原発の事故は水需要を急増させ、軟水だけでは不足することがわかってきた。

サントリーホールディングスは、硬水の中では味にくせが少なく、日本人にも飲みやすいといわれる
「ヴィッテル」の増産をスイス・ネスレ社に要請した。当初計画比1.6倍を輸入したい考えだが、
広報部は「2~3カ月かかりそうだ」としており、水需要に即応するのは簡単ではない。