北アフリカ・中東情勢の混乱の影響が世界経済を大きく揺るがしている。原油供給への不安から米国産標準油種(WTI)の
原油先物価格は2年5カ月ぶりの高値水準に到達し、金の価格も過去最高値を更新した。
企業業績にも暗い影を投げかけ、世界経済の先行き不透明感が強まっている。
原油の代表的な取引指標であるWTIは7日、取引の中心の4月渡しが一時1バレル=107ドル目前にまで値上がりした。
「投機的な買い需要」(証券系アナリスト)も上昇を加速させている。
「原油価格の上昇は9割の日本企業の収益圧迫要因になる」。明治安田生命の小玉祐一チーフエコノミストは警戒を強める。
「じわじわと世界経済をむしばんでいく可能性がある」。与謝野馨経済財政担当相も8日の閣議後会見で危機感をあらわにした。
資金の動きは、金への流れを強めている。ニューヨーク商品取引所の金価格は7日に一時、1オンス=1445ドルまで上昇し、
史上最高値を更新した。
野村証券金融経済研究所は8日、平成23年度の主要企業約400社(金融除く)の経常利益見通しを約9千億円上方修正した。ただ、海津政信チーフリサーチオフィサーは「原油価格の動向によっては見通しが下方修正される可能性もある」とした上で、
「中東諸国の混乱がさらに拡大し、原油価格が130~150ドルの水準まで上昇すれば、需要減退と同時に、
企業が価格転嫁できない状況が起こる」と警告する。