「朝令暮改」と聞くと、普通は悪い印象を受ける。方針や命令が絶えず改められ、あてにならない状況を指す▼だが、変化の激しい現代では、必ずしも「悪い」とは限らない。セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長の鈴木敏文氏は「あらゆるビジネスが『変化対応業』でなければ取り残されていく」と語る。たとえ朝決めたことでも間違いだと気付いたら、すぐに変更する。臆することなく「朝令暮改」を勧める。それは、顧客のニーズが日に日に変化しているからだ▼人間は、過去の成功体験をなぞろうとする。でないと、過去の自分を否定してしまうことになるからだ。会社の寿命が30年といわれ、大企業がいつしか斜陽になるのも、過去の成功が経営の判断を誤らせているように思う▼スポーツライターの二宮清純氏は書いている。「人並み以上の実績を残しながらもつねに進化しつづける人間というのは、過去の成功体験にこだわらず、新しいチャレンジをしている」(『勝者の組織改革』PHP新書)。現在の成功にさえ安住せず、日々挑戦することが、勝利への道なのだ▼一日として同じ日はなく、今日の自分は昨日の自分とは違う。つねに前へ前へと成長する人生でありたい。