Podや、コンテンツ配信サイト「iTunes(アイチューンズ)・ミュージック・ストア」、携帯電話「iPhone(アイフォーン)」は、驚くほど短期間で、従来の製品だけではなく、携帯電話業界などの巨大産業やその背後のメディア業界を敗者に追いやってしまった。昨年の「iPad(アイパッド)」の投入でジョブズ氏はまた、タブレット型コンピューターという新しい製品カテゴリーを紹介するという偉業を成し遂げている。
ジョブズ氏が「閉じた」システム(ユーザーはiPhoneの電池を自身で交換することもできない)を主張し、ユーザー経験を厳しく制約していることは、多くの人を困惑させ、ライバル会社につけいるすきを与える可能性がある。
ただ、ライバル企業も本音を言えば、自身の手法に対するジョブズ氏の影響力を認めざるを得ないだろう。
実際のところ、ジョブズ氏と比較するのに本当にふさわしい人物はビル・ゲイツ氏やジャック・ウェルチ氏ではなく、トーマス・エジソンやヘンリー・フォードらなのかもしれない。スカリー氏は前述のインタビューで、ジョブズ氏の伝説的な完璧主義で発狂しそうにならなかったかと質問されたが、それに対する答えはジョブズ氏の人物像を完璧に活写したものだった。