「変わるべき時に私自身が変われないなら、人々に変化を求められません」。映画「インビクタス/負けざる者たち」における、マンデラ大統領のせりふである▼アパルトヘイト(人種隔離)の悲劇を越えて、新生・南アフリカ共和国を率いる氏は、人種の融和に心を砕く。「和解と赦し」を掲げ、ラグビー代表チームの白人キャプテンとも友情を。「なぜ?」との問いへの返答が、冒頭の言葉である。同国で開催されたワールドカップにおける感動ドラマも、そこに生まれた▼「心の強さ」には二つある。勇気と寛容だ。勇気とは、己心の衝動を抑えて、方向を転ずる能力。寛容とは、人々を助け、友情の絆によって結びつこうとする努力。哲学者スピノザは主著『エチカ』で、そう語る。マンデラ氏は、その二つを備えているといっていい▼自ら変わる気がない者に限って、もっぱら他人を変えようとする。しかし、そこに新生の夜明けは訪れまい。
私は考えは「組織をどう動かすか、ではない。自分を革命することだ。自分が生まれ変わっていくことだ」

映画「インビクタス/負けざる者たち」予告
http://www.youtube.com/watch?v=lZ1pPjZpPdw