「トイ・ストーリー」など、人気のアニメ映画を次々と世に送る「ピクサー」社は、米国映画業界では特異な存在という▼ハリウッドの映画作りはストーリー(筋書き)ありき。売り込まれたストーリーに投資し、そのつど必要な人材を雇うのが一般的だ。一方のピクサーは、監督はじめチーム全員が「社員」。ストーリーを外に求めることはしない。「アイデアに投資するのではなく、人材に投資し、人材を育て、そこからアイデアを生み出す」(『スティーブ・ジョブズ名語録』桑原晃弥著、PHP文庫)。鍛え抜かれた人材さえいれば、アイデアは無限に創造できる、との信念がうかがえる▼能力のある人をそのつど集め、貪欲に結果を求めるのも一つの手法。だが、人を育てながら結果を出し、成功を分かち合うことには、大きな意義がある▼「問題は人だ。全部、人で決まる」人材育成には、種苗から育てるように、時間も手間もかかる。だが、苦労の分だけ豊かな実りの感動も大きい▼人材を育み、それぞれが「桜梅桃李」の価値を創造し、社会に貢献しゆくことが現実の姿である。励まし運動で、人材の実りを迎えたい。