クジラのシロップ物語

クジラのシロップ物語

色々な話をただひたすらにあげるだけの専用ブログ
読んで何か感じて貰えたら嬉しい限りです
タイトルは曲名から取ることもあります。
読みおわった後にタイトルの曲を聞いてみてください
エンディングです。
歌詞の内容とは関係ありません。
気ままに更新

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高層階ビル
ボクの街にはそんなものはない
そのおかけで空が狭いと感じたことはない
かといって、広いとそれはそれで果てしないから嫌な気分になる。

人間はわがままだ。

始めて登った高層階ビル
カツカツと階段を響かせ1歩1歩
空に近づいていく。
足音が心臓と時計の針とシンクロして
何とも言えない緊張を生む。

この時点で気づく。
「あぁ、これは夢か」と。
今の御時世屋上を無責任に解放している場所なんて
そうそうないし、何より気づかれないわけがない。
そして、夢だと確信したのは
こんなビルはボクの街にはない。

とりあえず屋上まで登り一息つく。
日頃の運動不足だとしても
さすがにこの高さを階段で登れば関係ない。

ポケットからタバコを取りだし火をつけながら
ボクの街を見下ろす
ゆったりと行き交う車
誰ともぶつかる心配をしないであるく人
公園で遊ぶ親御
それを見ながらにこやかに笑い日向ぼっこをする老人

見下ろしながら少し笑った。
ビル以外は何ら変わらない
いつもの街がそこにはあった。
このビルだけが異質な存在。
だが、誰も気づかない。

タバコがどんどん短くなる。
最後の一吸いを終え、火を消した。
目を閉じて風を感じる。
何も聞こえなかった。

そうしてボクは柵に手をかけ飛び降りた。

夢から覚めたら白い壁が広がっていた。
どうやら夢でも死ねないらしい。