こんばんは!
今日も映画の感想をしたいと思います!
今回は、1982年にマイケル・モーパーゴが発表し、舞台版は第65回トニー賞で5部門に輝いたイギリスの小説を巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画化した「戦火の馬」です!

アカデミー賞の作品賞、美術賞、作曲賞、撮影賞、音響編集賞、録画賞といった数々の賞にノミネートされ、高い評価を受けた作品です。
物語は、第一次世界大戦前夜のイギリスの農村で、1頭の美しい馬が貧しい農家にひきとられることから始まります。
その家に住んでいる少年アルバートは、“ジョーイ”と名付けられたその馬とかけがえのない友情を結びます。
しかし戦争が始まると、ジョーイは英国軍の軍馬として売られ、フランスの戦地に送られてしまいます。
アルバートはジョーイを探すため、徴兵年齢に満たないにもかかわらず入隊し、最前線フランスに向かいます。
一方、ジョーイは死と隣り合わせの過酷な日々の中、軍馬を誰よりも大切にするイギリス人将校、ドイツ軍を脱走した少年兵の幼い兄弟、両親を失ったフランスの少女らと巡り合います。
過酷な運命に立ち向かう人々との出会いと別れを繰り返しなら、やがてジョーイは彼らの希望となり、“奇跡の馬”と呼ばれるようになる、というお話です。
私は、幼い頃から馬が大好きで、家族で乗馬をしに行ったり、今でもポニーと関わる活動をしているほどです。
本作のジョーイが自然の中で戯れる姿、母馬との別れ、青年アルバートとの交流、戦場で知り合った黒馬との友情が、大きな眼や鼻先を向ける仕草、人間を信頼して垂れる首や酷使に耐える細い足が馬の心を巧みに語り、ジョーイの寂しさ、優しさ、苦しみ、嬉しさが痛いほど伝わってきました。
軍馬はどちらの味方でも敵でもない従順な動物であり、人間の争いに利用され、ものとして扱われています。
有無を言わさず戦場に送り込まれ、倒れたら代わりは幾らでもいるからと、過酷な重労働に潰されていく死に物狂いの疲れ切った負傷馬を観て、とても心苦しかったです。
ジョーイは貧しいアルバートの家族の農耕を助ける際に鍛えた脚力と体力で、経験のない黒馬を厳しい労役から救い、人間に大貢献するシーンには涙が出そうになりました。
しかし、その労役はとても大きな大砲を運び上げることであり、凄く複雑でした。
本来、草を食んで野原を駆け回る馬が、人間の殺し合いに駆り出され、人間を殺す兵器の為に働かされています。
これが戦争であり、どの軍隊にも動物好きの性が滲み出ている男たちが何人もいて、後からじわじわと泣けてきました。
それを感じざるを得ないような、ジョーイたち全ての馬たちの演技に拍手を送りたいです。
馬が主役の映画ですが、決して人間達も単なる引き立て役ではありません。
飼い主であるアルバートはもちろんのこと、勲章をゴミ箱に捨て、人を殺すことを誇りになど思えないアル中の父。
若すぎる命を守ろうと弟をさらって脱走した兄。
両親を奪われた孫娘に違う意味での勇敢さを示す祖父。
撃てない、進めない、死にたくない親友。
上記を含めた全ての登場人物に血が通っていて存在感があって、すぐに物語に入り込むことができたので、146分という時間は全く感じませんでした。
ジョーイとアルバートの絆は丁寧に描かれていましたが、私にとっての名シーンは、動けなくなったジョーイに対する人間たちのやりとりでした。
軍服を着ていても、この時だけは兵士でなく、同じ目的を抱いて歩み寄ってみた、心が通じる人間です。
利害関係も殺意もなく、戦車に追い込まれ、塹壕を擦り抜け、自由を求めて走り回った傷だらけの馬に触れ、思いがけず協力してしまった敵対する人間たちが、手に入れたいものを賭けて、よく知らない人と命を奪い合う戦争の愚かさを教わります。
爆撃が迫り来る戦場の臨場感と恐怖感が身体全体を直撃し、戦争がいかに恐ろしく残酷なものか、しみじみと伝わってきました。
馬好きが結束して誕生させた本作は、感動大作というよりは味わい深いシーンが随所に鏤められた秀作だと思います。
私が観てきた映画の中でトップクラスであり、生涯忘れられないような、そんな作品です。
今日も映画の感想をしたいと思います!
今回は、1982年にマイケル・モーパーゴが発表し、舞台版は第65回トニー賞で5部門に輝いたイギリスの小説を巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画化した「戦火の馬」です!

アカデミー賞の作品賞、美術賞、作曲賞、撮影賞、音響編集賞、録画賞といった数々の賞にノミネートされ、高い評価を受けた作品です。
物語は、第一次世界大戦前夜のイギリスの農村で、1頭の美しい馬が貧しい農家にひきとられることから始まります。
その家に住んでいる少年アルバートは、“ジョーイ”と名付けられたその馬とかけがえのない友情を結びます。
しかし戦争が始まると、ジョーイは英国軍の軍馬として売られ、フランスの戦地に送られてしまいます。
アルバートはジョーイを探すため、徴兵年齢に満たないにもかかわらず入隊し、最前線フランスに向かいます。
一方、ジョーイは死と隣り合わせの過酷な日々の中、軍馬を誰よりも大切にするイギリス人将校、ドイツ軍を脱走した少年兵の幼い兄弟、両親を失ったフランスの少女らと巡り合います。
過酷な運命に立ち向かう人々との出会いと別れを繰り返しなら、やがてジョーイは彼らの希望となり、“奇跡の馬”と呼ばれるようになる、というお話です。
私は、幼い頃から馬が大好きで、家族で乗馬をしに行ったり、今でもポニーと関わる活動をしているほどです。
本作のジョーイが自然の中で戯れる姿、母馬との別れ、青年アルバートとの交流、戦場で知り合った黒馬との友情が、大きな眼や鼻先を向ける仕草、人間を信頼して垂れる首や酷使に耐える細い足が馬の心を巧みに語り、ジョーイの寂しさ、優しさ、苦しみ、嬉しさが痛いほど伝わってきました。
軍馬はどちらの味方でも敵でもない従順な動物であり、人間の争いに利用され、ものとして扱われています。
有無を言わさず戦場に送り込まれ、倒れたら代わりは幾らでもいるからと、過酷な重労働に潰されていく死に物狂いの疲れ切った負傷馬を観て、とても心苦しかったです。
ジョーイは貧しいアルバートの家族の農耕を助ける際に鍛えた脚力と体力で、経験のない黒馬を厳しい労役から救い、人間に大貢献するシーンには涙が出そうになりました。
しかし、その労役はとても大きな大砲を運び上げることであり、凄く複雑でした。
本来、草を食んで野原を駆け回る馬が、人間の殺し合いに駆り出され、人間を殺す兵器の為に働かされています。
これが戦争であり、どの軍隊にも動物好きの性が滲み出ている男たちが何人もいて、後からじわじわと泣けてきました。
それを感じざるを得ないような、ジョーイたち全ての馬たちの演技に拍手を送りたいです。
馬が主役の映画ですが、決して人間達も単なる引き立て役ではありません。
飼い主であるアルバートはもちろんのこと、勲章をゴミ箱に捨て、人を殺すことを誇りになど思えないアル中の父。
若すぎる命を守ろうと弟をさらって脱走した兄。
両親を奪われた孫娘に違う意味での勇敢さを示す祖父。
撃てない、進めない、死にたくない親友。
上記を含めた全ての登場人物に血が通っていて存在感があって、すぐに物語に入り込むことができたので、146分という時間は全く感じませんでした。
ジョーイとアルバートの絆は丁寧に描かれていましたが、私にとっての名シーンは、動けなくなったジョーイに対する人間たちのやりとりでした。
軍服を着ていても、この時だけは兵士でなく、同じ目的を抱いて歩み寄ってみた、心が通じる人間です。
利害関係も殺意もなく、戦車に追い込まれ、塹壕を擦り抜け、自由を求めて走り回った傷だらけの馬に触れ、思いがけず協力してしまった敵対する人間たちが、手に入れたいものを賭けて、よく知らない人と命を奪い合う戦争の愚かさを教わります。
爆撃が迫り来る戦場の臨場感と恐怖感が身体全体を直撃し、戦争がいかに恐ろしく残酷なものか、しみじみと伝わってきました。
馬好きが結束して誕生させた本作は、感動大作というよりは味わい深いシーンが随所に鏤められた秀作だと思います。
私が観てきた映画の中でトップクラスであり、生涯忘れられないような、そんな作品です。



