心臓に「異常なものが溜まる・できる」という点では似ているけれど、中身はまったく別物!
心アミロイドーシスと心サルコイドーシス。名前も似ていてややこしいこの2大疾患を、ライバル対決風に分かりやすく比較解説します!
🆚 心アミロイドーシス vs 心サルコイドーシス:似て非なる2大疾患
どちらも「心臓に何かが溜まってカチコチになる」病気ですが、その中身や対策は驚くほど違います。ライバル関係にあるこの2つの病気を、ポイントごとに比較してみましょう!
1. 正体:溜まっているものの「正体」が違う
• 心アミロイドーシス:
正体は**「アミロイド」という異常なタンパク質のゴミ**です。心筋の隙間にこのゴミがビッシリ詰まって、心臓が動けなくなります。
• 心サルコイドーシス:
正体は**「肉芽腫(にくげしゅ)」という免疫細胞の塊**です。免疫が暴走して、心臓の中にボコボコと小さな「デキモノ」ができるイメージです。
2. 不整脈:得意な「トラブル」が違う
• 心アミロイドーシスは「心房」と「脈の遅れ」:
心臓の上の部屋(心房)がダメージを受けやすく、心房細動が非常に多いのが特徴。また、電気の通り道がゴミで埋もれるため、脈が遅くなる「房室ブロック」もよく起こります。
• 心サルコイドーシスは「心室」と「激しい連打」:
心臓の下の部屋(心室)にデキモノができるため、命に関わる心室頻拍(バクバク激しく打つ不整脈)が起きやすいのが怖いところ。突然死を防ぐためのICD(除細動器)の出番が多くなります。
3. 心電図:現れる「矛盾」が違う
• 心アミロイドーシスは「厚いのに小さい」:
エコーで見ると心臓の壁はゴミでぶ厚くなっているのに、ゴミが電気を遮断するため、心電図の波形はとても小さくなる(低電位)という不思議な矛盾が起きます。
• 心サルコイドーシスは「電気の断絶」:
デキモノが電気の通り道を遮るため、「右脚ブロック」や「完全房室ブロック」といった、電気の遮断を示す波形がはっきりと現れます。
4. 検査:決め手の「ツール」が違う
• 心アミロイドーシスなら「心筋シンチ」:
ピロリン酸シンチという検査をすると、アミロイドが溜まった心臓がくっきりと写ります。これが診断の大きなヒントになります。
• 心サルコイドーシスなら「PET検査」:
いま現在、どこで免疫が暴走(炎症)しているかを、光る画像で突き止めます。ステロイド治療が効いているかのチェックにも欠かせません。
5. 治療:使う「武器」が違う
• 心アミロイドーシスは「ゴミ対策」:
ゴミ(アミロイド)を作らせないための化学療法や、タンパク質を安定させてゴミを出さないようにする新薬(タファミジス)が主役です。
• 心サルコイドーシスは「炎症対策」:
何と言ってもステロイドが王様です!これで免疫の暴走をなだめて、肉芽腫を小さくしていきます。
🌟 結局、どう見分けるの?
ざっくりまとめると……
• **「高齢で、心臓が厚いと言われたのに心電図が小さい。最近、手がしびれる(手根管症候群)」**なら、心アミロイドーシスの可能性。
• **「若〜中年で、突然脈が遅くなったり、原因不明の激しい動悸や失神がある」**なら、心サルコイドーシスの可能性。
どちらも以前に比べて診断技術がぐんと上がり、**「正体が分かれば戦える」**病気になりました。
「自分の症状はどっちに近いんだろう?」と気になったら、まずはこのポイントを主治医との相談に役立ててみてください。
次回は「肥大型心筋症(HCM」について書いていく予定です!お楽しみに!