夫は昨夜、

 

「元旦は病院に行くけど夕方には帰ってこれると思う。」

 

「ずっと前に予約していたおせちが届くと思うから、

帰ったら一緒に食べよう」

 

 

 

 

と言っていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

午前中には届いたおいしそうなおせち。

 

温かい部屋で傷まないよう玄関の棚の上に

置いていた。

 

 

 

 

 

 

もうすぐ夫が帰ってくるし、

ぼちぼち準備だけでもしておこうかな

 

 

 

と思ったその瞬間、

激しい揺れに襲われました。

 

 

 

 

 

 

おせちは玄関に散乱し、

 

机の上に並べていた食器は割れ

 

夫の本棚からは本が飛び出し

 

テレビは倒れた衝撃からカラフルな画面を表示したまま、

その後映ることはありませんでした。

 

 

 

 

 

マンションの高層階なこともあり、

実際の震度よりも大きな揺れに感じましたが

 

 

幸いなことにライフラインは保たれたまま。

 

 

 

 

 

夫からの電話がなり

 

「大丈夫!?けがはない?」

と心配の第一声のあと、

 

 

 

 

「こんな時にかけ付けられなくてごめん。

対策本部が立ち上がる、しばらく帰れないと思う。

余震には気を付けて、また連絡する」

 

 

 

と短い時間でやりとりをしたあとは

 

 

会えない日々が続きました。

 

 

 

(仕事が忙しかったのももちろんでしたが、マンションに閉じ込められたり、

二次災害に巻き込まれないよう、夫はしばらくは病院で寝泊まりをしていました。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テレビがだめになってしまったため、

能登の被害を翌日1月2日のインターネットで知ることに。

 

 

 


 

 

能登の被害も

この散らかった部屋も、

大切な人を失ったばかりの私にはどうも現実とは受け入れることができず、

 


 

 

感情をどこかに置いてきてしまったのかと思うほど

座り込んだその場から、なかなか動きだすことができませんでした。

 

 

 


 

 

 

余震は続いていたものの

夫がようやく帰宅できた1月のある日、


 


 

もうすぐ日付が変わるであろう時間にもかかわらず
 

入籍届を出しに行きました。

 

 


 

 

 

いろいろあったこの半年。

届を出すタイミングをすっかり失ってしまっていましたが、

 

 


 

「いつ何がおこるかわからない。

一緒にいられることは本当に幸せなことで、

当たり前なんかじゃない」

 


 

 


 

と身をもって学んだ私たちは、

殺風景な市役所の夜間窓口のなか

 

 

手を繋ぎ、夫婦の誓いをかたく結んだのでした。


 


 

同棲開始から半年後、

ここからようやく結婚生活と妊活がスタートします!



 


 

(やっとスタートラインかい!とお思いのみなさま

お付き合いありがとうございました赤ちゃんぴえん
 


 


 

 

   

(どうか被災した方々の傷が少しでも癒えることを

心より願っています)