いよいよ繁忙期に突入し、全く余裕がない状況に陥っております。
今日は久しぶりに山梨の自宅で少しだけのんびりしています。
10数年前、当時、私が大学受験専門の英語塾を経営していた時
親と教師の無神経な言動が生徒のモチベーションにマイナスの影響を
与えていることに気づき、コミュニケーションに関する勉強を始め、
それがキッカケとなり、今の仕事へと発展していきました。
うちの子供たちの学校の担任やクラブの顧問を見ていても、
本当に教師と呼ばれる人種は不勉強で無頓着だなと思います。
生徒のモチベーションを見事なまでに奪っているのに
出来ないのは全て生徒のせいにする発想の乏しさは見事です。
先月の末になりますが、モチベーションに関して、
山梨日日新聞に面白い記事がありましたのでご紹介します。
中小企業ならではの発想ですので、
大企業には当てはまらない部分も多いですが、
発想自体は参考になるのではないでしょうか。
「社員のやる気を引き出すよりも、やる気をそぐ要因を排除することに
注意をはらうべきだ」―。独自の経営手法で注目されているメガネチェーン
「21(トゥーワン)」(広島市)の創業メンバー、平本清相談役(60)が
本紙(14日付)で語っていた
▼同社はノルマや管理職は「顧客のためのものではない」として設けず、
コスト削減を図る。一方で、開発商品などの重要決定は、全社員が
掲示板を使って意見を出し合う。
▼徹底的な効率主義の背景には、創業の苦しい時代を
顧客の支えで乗り越えたという経験がある。
「稼ぐ社員が最も偉い」とも言う平本氏。
だから利益は商品の値下げと社員への給与に還元する。
それを実現するための経営哲学の一端が冒頭の言葉だ。
▼経済の先行きが見えない時代。ともすれば組織はぎすぎすしがち。
「自分はちゃんとやっているのに、周りがだめだから」…。
こんな言葉には、結果が出ない不安の中でまず自らの正当性を確保しなければ、
という焦りがにじむ。その言葉は周囲の「やる気」もそいでしまう。
▼出版界では今、僧侶らが書いた本が売れている。
対人関係や失敗したときの気持ちの持ち方のヒントだったり、
思考の仕方を変えることだったりとさまざま。
哲学者の言葉を易しく紹介した本も人気だ。
▼不透明な時代の中でのブーム。そこには「やる気」を失わないように、
と踏ん張る現代人の自助努力があるように映る。
(山梨日日新聞「風林火山」より)
「人事破壊」の異色経営・「メガネ21」 管理職設けず、利益は還元
総務、人事、広報、経理などの部門を置かず、
数人が最低限の事務作業を兼務してこなす。
利益はすべて商品の値下げと社員への給与で還元する―。
異色の経営で成長するメガネチェーンの「21(トゥーワン)」(広島市)。
「人事破壊」と称する独自の経営手法が注目を集めている。
社長4年交代
21の創業は1986年。経営方針をめぐる対立で、
地元のメガネ店を解雇された社員4人が共同出資してつくった。
創業メンバーの平本清相談役(60)は「1年目から競合他社の攻勢を受け、
破綻寸前にまで追い詰められた」と振り返る。
顧客の支えで何とか危機を乗り越えた経験から
「徹底的な効率主義」が刻み込まれたという。
ノルマや管理職は「顧客のためのものではない」として設けず、
全社員の給与・賞与から人事評価まで、あらゆる情報を社内イントラネットに掲示し、
全員で共有。不動産取得や開発商品などの重要決定も稟議書や会議抜きで、
全社員が掲示板で意見を出し合いながら決める。無駄はない。
徹底したコスト削減を通じて価格で顧客に還元。
一方、地方の中小企業としては好待遇だ。パート・アルバイトは
時給1330~1520円。社員からの資金借り入れに対し、年4%の利息を支払う。
会社が苦しい時期に資金協力した社員には同10%で報いた。
権力の集中を防ぐため社長は4年交代。
年収は最も稼いだ社員とほぼ同額で1千万円が上限、社長室はない。
「稼ぐ社員が最も偉い。社長の仕事は稼ぐ社員の邪魔をしないことだ」と言う平本氏自身、
社長にはならなかった。「何でもやってしまうあなたが、後輩の成長を阻害している」―。
2004年、54歳だった平本氏は周囲の直言を受けた。
翌日、平本氏は経営から引退し、1人でもできる商品開発に移った。
地域の独自性
21は広島の本部が10%のみを出資する別会社を各地に設立している。
仕入れも給与分配も独自で行う、独立採算制。地域の独自性を引き出すための工夫だ。
フランチャイズ店の加盟手数料は売上高のわずか1%。
大上博己取締役は「広島の業績が落ちれば、本部機能さえ移転する」と言い切る。
メガネ業界はレンズ・フレームー式で1万5千円前後の価格帯での競争が激化。
大手の苦戦も目立つ中、21は主力商品を1万3千円台から投入している。
グループ全体では、21の看板を掲げ商品だけ供給する店舗も含め、
東京から沖縄を中心に約130店を展開、10年間で40店程度増加した。
09年2月期の売上高は約83億円となった。
平本氏は現在、「眼鏡経営塾」を開き、21の経営ノウハウを同業他社に指導している。
「社員のやる気を引き出すよりも、やる気をそぐ要因を排除することに注意を払うべきだ」と
熱弁を振るっている。
(5月14日(金) 山梨日日新聞より)