2. 「 ペーシング 」  その1  ( 2005年 5月15日 )

個人セッションの中で、家庭内のコミュニケーションを扱う場合に、
私は「一緒に何かに取り組みましょう」とリクエストすることが多いです。
例 娘と洗車 息子とキャッチボール 奥さんと一緒にウォーキング など
「同じ体験」をすることは、ラポール形成に効果的です。
これは、同じ目線、同じ体験が「同じ」という感覚を強く創り出すからだと思います。
SYP研修を受けた方どうしが仲良くなれるのも、この効果かも知れません。

2005年4月11日(月)朝日新聞 生活欄 ひととき より

「少し早い職場体験」     千葉県我孫子市 筒井登茂子さん

 勤務先の幼稚園が、歩いて5分ほどの場所に引っ越すことになった。
小さな幼稚園なので、業者に頼まず、身内だけの作業となった。
少しでもお役に立てばと思い、高校一年の息子と中学一年の娘にも手伝ってもらった。
息子は幼稚園時代からの同級生にも声をかけ、力仕事に精を出した。
 元気のいいあいさつ、周りの先生方への気配り、
仕事の合間に見せる友達とのまだ幼さを残す遊び……。
家庭では見られない息子を見ることができた。
 この一年、受験なのに、のんびりしている息子に、
なかなかいいところを見つける余裕がなかった。
息子も私の帰りが遅いと不機嫌な顔をし、
自分の不安をわかってくれないと訴えたものだった。
 こうして同じ職場で働いてみると、一日の疲れも理解でき、
家に帰ってからもいたわりあうことができた。
疲れてうたた寝をしていると、「今日はお母さん、疲れているから」と、
帰ってきた夫の夕食を温めてくれた。
子ども二人が台所に立っている姿を見たときの嬉しさは、
今までの子育ての苦労をねぎらってもらったような感じだった。
 高校生活が始まったばかりの息子には、
今回の引っ越しは心に残るちょっと早い職場体験だったと思う。
 私にも我が子を見直す新しい春になった。