5. コミュニケーションの実態 その1 ( 2005年 6月 5日 )

今回は、非言語コミュニケーションに関する研究のパイオニアである
アルバート・メラビアンの名著「サイレント・メッセージ」の前書きを紹介します。
コミュニケーションが上手な人、プレゼンテーションが上手な人、
効果的なリーダーシップを発揮している人などなど。
彼らに共通するものは何でしょうか?

 伝統的に言葉を重要視するアメリカ文化が、
意思伝達のプロセスに重要な意味を持ちながら無視されていた、
非言語(ノンバーバル)の役割に気づき始めた。
言葉と異なり、人間の行為や行動は感情から
切り離せられないという点で、非言語の役割は特に重要である。
なぜならば、人は意識する、しないに関係なく、
非言語の情報で物事を判断してしまうからである。
毎日の生活や友達付き合い、仕事の上での人間関係などが
うまくいっているかどうかなどは、言葉よりもノンバーバルで判断することが多い。
そのときの気分や顔の表情、姿勢、動作、ジェスチャーなどは
言葉以上の意味を持つことがある。
発せられた言葉とノンバーバルが一致しない場合、
人は往々にして言葉を信用しない。むしろ行動を判断の基準とする。

 意思伝達におけるノンバーバルの重要性を理解している人は、
社会において成功するだろう。
人の上に立つ人は言うに及ばず、演技を必要とする職業、
説得を必要とする職業には特に大切である。
職業でなくとも、友人関係において
自分の気持ちを相手に正確に伝えることは、
ノンバーバルの理解なくしては至難の業である。
その証拠に、常に何らかの誤解をし、友人関係を冷たくしてしまい、
孤独に一人で生きていかなければならない人もいる。
人間関係におけるノンバーバルに敏感になれば、
友人関係や社会生活全般にその効果が現れるだろう。


前回のクイズの答えは、「不法滞在者」です。