29. 視点を変える  その5  ( 2005年11月20日 )

「視点を変える」と言葉で言うのは簡単ですが、実行するのは難しいようです。
「慣れ」や「惰性」が私たちの正常な感覚を麻痺させてしまうことがあります。
研修ではチェックリストなどのツール、デモンストレーション、ロールプレイ
などを通じて、視点を変える機会を意図的に創り出しています。
また、フィードバックも視点を変えたり、気づきを促したりするのには効果的です。

朝日新聞  特派員メモ  サンパウロ  石田博士
 
人口1億8千万人のブラジルで年に3万人以上が銃によって死ぬ。
だが、政府が販売禁止の是非を尋ねた国民投票では3分の2が反対した。
 投票前、地元メディアは銃被害の告発キャンペーンで販売禁止を後押しした。
それを反対派は逆手に取った。「だから正当防衛権が必要だ」
犯罪への不安をあおり、結局、一気に支持を増やした。
 ふだん街で銃声が響くわけではないが、
「男に車に乗り込まれて、銀行で金をおろさせられた」
「バッグを奪われた」とはよく聞く。
多くの場合、犯人は銃を持っている
 私が住む地区でも先日、強盗事件があった。
銃でマンションの警備員を脅すと、約7時間かけて住民を1人ずつ拘束して金品を奪ったという。
「信じられない」と嘆いていたら、友人が言った。
「でも、日本では同じくらいの人が自殺しているらしいじゃないか。その方が信じられないよ」
インターネットで仲間を募っての練炭自殺は、南米でも大きく報道された。
 治安が悪くとも、この街では、見知らぬ人同士がエレベーターであいさつを交わし、
混み合う地下鉄では荷物を支え合う。
東京の方がよほどぎすぎすしていると思う。
 年間3万人。
銃で死ぬ国も自殺で死ぬ国も、どちらも何かおかしい。