30. タイムマネジメント    ( 2005年11月27日 )

管理職研修では、まず1回目にタイムマネージメントの話をしています。
2回目の冒頭には、ある課長さんの小学生の娘さんの事例を紹介していますが
人間関係においては、第2領域は放っておくと第1領域に移行することなく
すべての領域から消え去ってしまうことがあります。
しかも、その未完了は完了することができなくなってしまいます。
人間関係の中でも、特に家族関係においては
その時期にしか味わうことのできない時間は、やり直しができません。
失われた時間を取り戻すことは不可能ではありませんが、難しいことです。
世のお父さん方、大切なお子様との時間を
大切なお客様との約束と同じくらいに(理想としては、それ以上に)
大切に扱ってみて下さい。
冬休みは、もうすぐそこまで迫っています。
cf 14.「もの」より「思い出」(2005年8月7日)

朝日新聞 生活欄 ひととき より

「父と娘のダンス 」   東京都足立区 矢作潤子さん 主婦 50歳

 外国映画を見ていたら、結婚式で花嫁と父親がワルツを踊るシーンがあった。
欧米では、結婚式だけでなく、普段のパーティーでも、よく父と娘が踊るそうだ。
 父娘が寄り添い踊る光景を見て、
このすてきな習慣が日本にもあったならと、うらやましく思った。
日本では、娘が父親の手に触れることすら余りないのではないだろうか。
 私も、5年前に亡くなった父とは、やはり一歩おいた関係だった。
父は学校や塾の講師だった。家ではほとんど教材作りをしていたし、
私自身、長い間、教壇から父に教わっていたため「先生」という意識が強く、
素直に肉親として接することができなかった。
一緒にいてもぎこちなく、良い生徒を演じているようなところがあった。
 父が年老いても肩をもんであげることもなく、
さらに、病気の父のおむつを、どうしても取り換えてあげることができなかった。
様々な後悔が、切なく、波のように今も押し寄せる。
 映画を見ながら、思いは30年近く前の結婚式に飛んだ。
花嫁姿の私は、父とダンスを踊りながら、
「ありがとうございました。お父さん、大好きよ」と言う。
幼いころ、寝る前にお話を聞いた時のように、父の胸にもたれながら――。
そんな場面を思い描いていたら、天国から父もほほ笑んでくれた気がした。