65. 言葉の大切さ   ( 2009年 9月20日 )

筑摩書房様から発売される新刊(ちくま新書)は
初校ゲラ原稿も届き、いよいよ形になってきました。
配本日も12月7日(月)に決まりましたので、
12月の上旬には書店に並ぶことになりそうです。
今回は、傾聴をテーマにしていますが、
まるまる1章を使って、コミュニケーション全体を振り返りながら、
「言葉の重要性」にも焦点を当ててみました。
You are what you say.
言葉は大切です。
特に肯定的な言葉は意識して積極的に使って下さい。


朝日新聞 生活欄 ひととき より

「ありがとう」は言葉で  神奈川県逗子市 尾崎寛子さん 主婦 71歳

 数日間、2人の孫を預かりました。中2の男の子と小2の女の子です。
 お父さんが海外勤務になったので、その引っ越し準備の間でした。
孫と一緒の生活は初めてで、心がうきうきしました。
 孫たちは、何かちょっとしてあげると、必ず感謝の気持ちを表します。
目を見て「おばあちゃん、ありがとう」と言います。
 食事の時、私が「先に食べ始めていいわよ」と言っても、
みんながテーブルに着くまで待っています。
みんながそろうと「いただきます」と声をそろえて言います。
「ありがとう」「ごめんなさい」も自然に、すぐ表現できるのです。
 夫は「おーい、お茶」
入れてあげて当たり前。
私も、牛乳を買い忘れたら夫に頼み
「冷蔵庫に入れておいてね」
いつの日からか、感謝の気持ちを言わなくても、
お互いに分かっているので、それで済ませていました。
でも、言葉で聞くと心がなごむのです。大いに反省しました。
 外国へ出発する日、孫娘は、前の日に一生懸命作っていた
ウサギの折り紙を二つ「プレゼント」と言って、夫と私に差し出しました。
うれしくて、「ありがとう」と言って棚に飾りました。
 数日後、その折り紙を手にとってみると裏に小さな字で
「いままで ありがとう」と書いてありました。