実は、娘を授かった時には2つの直観がありました。
この子は自宅出産でも必ず無事に生まれてくる、という確信と、
万が一そうでないなら、それは仕方がない、という覚悟でした。
これまでの流産や病院出産までに感じていたような、
拠り所のない不安はどこにもなく、
この確信と覚悟は最後まで、揺らぎも消えもしませんでした。
結婚して間もない流産で自分の体への信頼が揺らいだまま、
その後の妊娠を誰にも告げずに、頼りなく静かに暮らしていた息子の妊娠期間を経て、
初めての産後は、2ヶ月の息子を連れてヨガを習い始め、
自分の肉体とコミュニケートするすべを学び、
呼吸法や瞑想を通じて自分の内側に深く入ることを経験し始めていました。
いちばん苦しく孤独だった流産の後、
ひとり静かに写経や読経をすると心が安らぐのを尼僧さんから直接教わったことも、
自分の持って生まれた質を自覚することに繋がっていました。
やがて、ヨガ歴などほとんどないままに赤ちゃん連れのヨガサークルを地域で立ち上げてみたり、
当時お世話になったヨガの先生方に励まされて、
ヨガ通訳者としてお仕事をするようになります。
2009年に息子が生まれて1~2年のうちに、
転機が連続してやってくるようでした。
2012年に娘を妊娠した時には、
ヨガコミュニティの中に、
練習者として、そしてヨガ通訳者として、
ありがたいことに素晴らしい居場所がありました。
妊娠全期を通して、娘はお腹の外側の世界からたくさんの方の祝福を受けました。
時には海外のキルタン奏者に楽器を演奏していただき、皆さんに歌を唄ってもらって、
こうしてみんながあなたの生まれてくるのを楽しみにしているよ、
という温かい愛情を浴び続けていました。
Kevin Jamesさんのキルタン通訳。この時も皆さんが私とお腹の子に歌を贈ってくださいました。
私は今も、さまざまな祝福の機会に恵まれたときの皆さんお一人お一人のことを、
深い感謝の気持ちと共に思い出します。
ヨガ通訳という仕事を通じて忘れられない出会いに恵まれ続け、
お腹の子と共に自分がそこに在ることが本当に嬉しく、
私は皆さんに囲まれながら、
思わず隣の方の温かい肩を借りて泣いてしまうこともありました。
0歳の息子を抱えて立ち上げた、地域のママと赤ちゃんが集まるサークルRION
(当時書いていたブログはこちら)
妊娠8ヶ月でのヨガ通訳
知識と経験豊富な素晴らしいヨガ指導者の方々を、より良く通訳するためにと、
解剖生理や医学英語の検定を受けて合格したことが、
やがてリオ五輪の通訳にも繋がっていきました。
ヨガは新たな扉をずっと開き続けてくれているようです。