官舎は丘の上にあり、敷地は針葉樹に囲まれていた。雪が降ると木々も白くお化粧され、その隙間から見下ろす町はまるでおとぎの国のようだ。
一年で一番のお楽しみのクリスマスもお正月も雪景色の中だから、ワクワク気分もいや増し、物語の中にいるようだった。
何でも買ってもらえる時代ではなく、うちでは欲しい物をねだれるのはクリスマスだけだった。
家族で買い物に出かけて、可愛いお人形や抱えるくらい大きな赤いクマなどを買ってもらった。
本当に嬉しかった
北海道の冬を思い出すと、あたたかくて幸せな場面ばかりが浮かんでくる。
弟が通っていた幼稚園