羽生選手がBTSのダンスを参考になさっているのは、とても良い事だと私は思っています。
ですが羽生選手の一部のアンチからは批判の声もあります。
その根拠は、BTSの過去の原爆シャツの件のようで。
その件について、海外の類似事例やヒップホップ文化の解説をしながら、私の意見を書きます。
1 経緯
時系列順に並べましょう。
これらの記事や公式サイトをまとめると、
決してBTSは反日でもなく、被爆者侮辱意図があったわけでもない事がお分かりいただけると思います。
そして反省するところは反省し、今後の改善へ繋げていく姿勢には好感を感じます。
特に公式サイトでの見解は倫理的かつ模範的であり、信頼出来ると感じます。
2 海外の類似事例
私が真っ先に思い浮かべた『Taki Taki 』について紹介します。
DJ Snake、Selena Gomez、Ozuna、Cardi Bという、全員が南米ルーツの錚々たるメンバー。
レゲトンのヒット曲。レゲトンとはスペイン語のヒップホップのことです。
同じ2018年11月リリースでありながら、あまり日本で話題にならなかったと記憶しています。
私はレゲトン大好きで沢山聴いてますけれど、この曲はたしかに踊りやすいし覚えやすいです。
ですがCDジャケットは原爆のキノコ雲と富士山噴火を合わせたような印象。
最大の問題なのは、歌詞です。
一部抜粋しましょう。
「Quiere un besito o un ñaqui
Booty explota como Nagasaki
Prende los motores Kawasaki
Que la disco está llena
Y llegaron los Anunnakis
No le bajes
No trajo pantisito pa’que el nene no trabaje」
和訳すると次のような感じでしょうか。
「キスが欲しいかアレが欲しいか
長崎みたいにケツ爆発
カワサキバイクにエンジンかけて
クラブは人でギュウギュウギュウ
オレ神だぜ、登場
ガッカリさせるな
パンツがねえのか、動かなくていい」
(以下略)
あわわ、日本語にするとカルチャーショック…。
この歌詞は問題ありでしょう。
レゲトンに慣れない人は歌詞が性的にR18だと思うかもしれませんが、この程度の性的表現はレゲトンでは普通であり、問題ないと私は考えます。
それでは、どこが問題ありかって
Booty explota como Nagasaki
のところ。
Taki Taki 、un ñaqui、Nagasaki、Kawasaki、Anunnakisって韻を踏んでいるわけですが、原爆被害者への配慮に欠けるのではないでしょうか。
指摘を受け、該当箇所はNagasakiからSakisakiに変更されました。
しかしながらこの件に関して、BTSのような丁寧な謝罪文や説明文は、私が調べた範囲では見つかっていません。もしもそれがあれば、コメ欄にてご教示願います。
さらにParty remixやWorkout remixなどの二次バージョンでは、変更前の歌詞のまま現在も発売中の商品も存在しています。
また、公式MVでのコメ欄には、次のようなコメントも確認しました。
「Remember when the lyrics were “bootie explota como Nagasaki”and then changed it to “Saki Saki”so it doesn’t sound offensive😂」
和訳(歌詞が“bootie explota como Nagasaki”だったのに“Saki Saki”に変更されて、攻撃的な響きが無くなっちゃったこと、覚えておいてね😂)
おそらく作詞者としてはNagasakiの「g」の響きがほしかったのだろうと思うし、ファンも同じように思ったのかもしれませんが、笑っている絵文字も含めてこの件に関する理解不足があるように私は感じます。
3 歴史認識の差異とヒップホップ文化
国が違えば歴史認識も異なります。
例えば広島と長崎への原爆投下も、ベトナムへの枯葉剤大量散布も(本心は分かりませんが)アメリカは正義を主張しています。韓国や南米にとりましても、原爆投下の認識は日本とは同じではありません。
またヒップホップ文化の発祥のルーツを考慮すれば、この街で生き抜くにはそのくらいの気概が必要という見方もあると私は感じます。
Que Tire Pa' 'Lante
例えば2019年の『Que Tire Pa' 'Lante』のミュージックビデオは、シリアやアフガニスタンでの民間の犠牲者を冗談ぽく描いているように見えるのは私だけでしょうか。私の知る限り、ヒップホップ文化(レゲトンも広義の意味でヒップホップ)では、このような世界観は珍しくないのです。
ジミンさんのダンスを見る限り、モダンやコンテンポラリーを習った後にヒップホップへ入ったのかもしれません。私もその順でした。デビュー当時のガチガチのヒップホップ路線でのパフォーマンスからは、悪いヤツを演じ切れない苦悩(品の良さを隠せない苦悩)が垣間見えるような気がします。文化の理解に苦労するあまり、事務所から言われる通りにシャツを着用しただけだと考えるのが自然です。国内だけでなく世界に売り出す以上は向き合わなければならない課題だと思います。BTSの事後対応はほぼ完璧で、お互いの立場を理解しようとする努力や姿勢の大切さの模範を示したと言えるのではないでしょうか。
結論としては、私はBTSを好きになりました。
4 まとめ
羽生選手がダンスを参考になさっているBTSは反日ではないし、核兵器推進でもない。それどころか、その後の対応が素晴らしい。また海外の類似事例も含めて総合的に考えれば、BTSは倫理的かつ模範的だと言えるでしょう。
したがって、羽生選手のアンチの人々の言い分は的外れであると私は考えます。
羽生選手におかれましては、何も心配すること無くBTSを参考にしてほしいと私は思います。





