ダンス講師のフィギュアスケート鑑賞記 -10ページ目

ダンス講師のフィギュアスケート鑑賞記

フィギュアスケート五輪連覇の伝説の王者・羽生結弦選手を独自の視点で応援させていただくことを主な目的とするブログです。
フィギュアファン歴20年以上。

 

 

 

(続き)

 

 

歌詞中の「仮面に  突き刺さる」のところで、スケーティングの速度が加速する。トシさんの類いまれなる美声と表現力との共鳴は絶品だ。そして「突き刺さる」の部分の演技もブラッシュアップされている。FaOI 2019年版は両腕を上げたのに対し、DOI 2021年版は両腕を下げている。2019年版のように両腕を上げると、怪人に威嚇されているかのようで効果的である。だが一方で2021年版のように両腕を下げて体の向きをもっと素早く転換することによって、キレを増し、より一層歌詞のように「突き刺さる」感じが出た。見ていた私の心臓に本当に刃物が突き刺さるかのような衝撃を受けた。2019年版がトシさんの心の中に入っての演技だとするならば、2021年版は羽生選手の心の隅に隠していた深淵の表現だと言えるのではなかろうか。

 

 

 

 

 

「仮面に  突き刺さる」に続く「マスカレイド」のところもブラッシュアップされている。「マス」で右腕を上げ、「カ」で左腕を上げているのだが、2019年版はスタッカートのような動きだった。「レイド」でのハイドロブレーディングに至るまでに、やや流れが途切れてしまうように見えたのだ。もちろんあれだけのスケーティングの速度が出ていれば仕方のないことであるが、もっと良く出来るはずだと私は思った。それが2021年版では途切れることなく雄大な動きに変化していた。感動して身体が麻痺した。つまり2019年版は「マス」・「カ」・「レイド」であったのに対し、2021年版は「マ ス カ レ イ ド」であったのだ。

 

 

続く