優等生よりも粗削りでエネルギッシュな人を役員にしたい | 昭和の鬼平が物申す

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鬼平が平成の世相を斬る

日本人材ニュースが実施した企業の採用、育成・研修、組織力強化などを支援する専門家への調査では、2017年の人事の重要テーマは、「次世代リーダーの育成」が70%で第1位となった。

リクルートを皮切りにさまざまな経営者のかたわらで意思決定を支援し、経営者の選抜に関わってきた秋山進氏の著書社長が"将来"役員にしたい人によれば、次世代のリーダーを一言で表せば、前書きにある「荒削りだけど将来性のある人」ということになる。幹部候補生としては物足りない「まとまった優等生」は何が足りないかを整理した本でもある。

できる人になるために必要な要素として「ものの見方」「ものの考え方」「仕事習慣」「コミュニケーション」「心の持ち方」という5つの柱を立て、具体策を5つずつ計25個のポイントをまとめている。

たとえば、幹部候補に求められる「ものの見方」において重要とされる「視野の拡大」について、秋山氏は「視野が広そうでも実は残念な人」として、世間のことをよく勉強しているが、自分の仕事とつながらない人をあげる。

 

巷では、できるビジネスパーソンは新聞や雑誌に目を通し、アンテナを高くしているべきだと言われるが、単なる世間話のネタでは意味がないと厳しく断じられている。

秋山氏は、自分なりの「持論の構築」をするには「他にない思考の材料を持っている」か、もしくは「思考プロセスに独自性がある」かの、少なくとも1つが必要と指摘する。確かな持論を展開できる人は、経営者にとっても頼りがいがある存在になるだろう。