2023年1月19日、長野電鉄3500系(元帝都高速度交通営団3000系)の最後の1編成であったモハ3508+モハ3518で組成されたN8編成がラストランを行い、定期運用を終えました。
↓長野電鉄3500系N8編成
もともとこの車両は帝都高速度交通営団(以下営団)の3000系という車両でした。車体はセミステンレス製でコルゲートを配して落成しました。主に日比谷線で運用され、1994年に03系に置き換えられ運用を終えました。当時の営団の車両は1M方式という1両単位で制御、走行を行える方式を採用しておりましたが、この3000系より、2M方式という、2両を1ユニットとする方式に転換されました。
 話を長野電鉄に戻して、当時の長野電鉄では2500/2600系という、青ガエルこと東急5000系を改造した車両などを使っていました。しかし、この車両達が老朽化や陳腐化が目立ち、長野電鉄は置換え車を模索していました。そんな中、営団で3000系の置換えが行われます。営団3000系は長野電鉄2500/2600系とほぼ同規格の18m級車体やWN駆動方式をもち、長野電鉄にとってはとても扱いやすい車両でした。
そこで長野電鉄はこの営団3000系を最短編成である2両や3両に短縮し、改造の上、1992年から1997年にかけて導入しました。これが長野電鉄3500/3600系です。形式は2連が3500系、3連が3600系とされました。3連については湯田中方先頭車を電装解除し、付随車としました。

2連3500系→N編成(後年ワンマン化)(N1〜N8)
        O編成(支線用ワンマン対応)(O1〜O6)

3連3600系→L編成(後年ワンマン化)(L1〜L3)
◇編成表◇   ←湯田中   長野→
N1 モハ3501+モハ3511
N2 モハ3502+モハ3512
N3 モハ3503+モハ3513
N4 モハ3504+モハ3514
N5 モハ3505+モハ3515
N6 モハ3506+モハ3516
N7 モハ3507+モハ3517
N8 モハ3508+モハ3518

O1 モハ3521+モハ3531(全線対応)
O2 モハ3522+モハ3532(全線対応)(帯、ロゴなし)
O3 モハ3523+モハ3533
O4 モハ3524+モハ3534
O5 モハ3525+モハ3535
O6 モハ3526+モハ3536(帯、ロゴなし)

L1 クハ3651+モハ3601+モハ3611
L2 クハ3652+モハ3602+モハ3612
L3 クハ3653+モハ3603+モハ3613

↓帯、ロゴなしの全線対応O2編成

 上の編成表のO4編成のモハ3524は、屋代線での踏切事故で大破し、元は営団時代の3045号車を種車としていたが、急遽N1編成に使用する予定だった3077号車に差し替えられて復帰しました。これによりN1編成が組成できなくなってしまい、営団で保存予定だったトップナンバー3001+3002が長野電鉄へ譲渡された。そして大破したO4編成モハ3524と相方を失った同じくO4編成を組成していたモハ3534は部品取りとなりました。

 そして木島線の廃線により一部のO編成が廃車、更に屋代線の廃線でO2編成以外のO編成が廃車となりました。その最後の非冷房原型車となっていたO2編成も2019年に運用を離脱しました。2020年には3600系最後のL2編成も廃車となり、3両編成と中間車が消滅しました。2021年にはN6編成の離脱で3500系は残りN7、N8の2編成となり、2022年にはN7編成がラストランイベントを行い、離脱。そしてついに2023年1月19日、最後のN8編成がラストラン。すべての編成が運用を離脱しました。

 因みに、3600系は全車が廃車され、解体されましたが、3500系のうち、N6、N7、N8、O2の4編成についてはまだ廃車とはなっておらず、休車扱いになっています。この4編成は須坂駅に留置されており、敷地外から十分よく見える状態にもなっています。ただし、N6、O2編成の湯田中方先頭車のライトレンズは抜き取られており、自走は不可能な状態です。

↓須坂駅に留置中のN6編成




↓須坂駅に留置中のN8編成





↓須坂駅に留置中のN7編成




↓須坂駅に留置中のO2編成






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