Sharp X1turboIIの修理・コンデンサ交換

CZ-856CB

    

Sharp X1 turbo IIの修理としてコンデンサ交換方法を記します。

(FDD及び電源部分のコンデンサ交換は載せていません。私のFDD、電源部位が運よく調子が良いことと、以前X68Aceの電源交換で抵抗が燃えたことがあり、素人には危険だと判断したためです。)

以下は、素人が実施した交換方法です。下記手順で動作致しましたが、全ての環境で動作を保証するものではありません。また下記手順を実施した事による責任は一切取れませんので、自己責任で実施をお願います。

 

1.交換準備

  1)道具準備

    ・ドライバ EZ7412

     パナソニック電動ドライバEZ7412

     (通常のドライバでも可)

          

    ・ハンダ吸い取りき HAKKO FR-301-82

     AMAZONで2万円弱します。高価ですが必須の道具です。

     本気でコンデンサ交換を実施するなら必ず購入して下さい。

     もちろん安価なハンダ吸い取りきやハンダ吸い取り線でもできなくはない

              ですが、初心者は事故るランド焦がす可能性があります。経験が浅い方、

              不器用な方は購入する事を強くお勧めします。それ以上に持ってると楽。

          

    ・ハンダこて TQ-95

     高い物でもいいかもしれませんが、私はこれを使用しました。

          

    ・フラックス&ハンダ吸い取り線 H-722 & CP-3015

     新しいコンデンサを付ける前にランド(土台)に塗ります。

     ハンダ吸い取り線は、既存のコンデンサを外した後、ランドに既存の

     ハンダが残っていた場合に綺麗にする為に使用します。

          

    ・ペンチ

     コンデンサをハンダ後、不要な足を切断します。なんでもいいです。

          

   

    ・ネジ受け皿 & カプトンテープ

     ネジを無くさないように、マグネット式のネジ受け皿があると便利

     でしょう。カプトンテープはコンデンサ位置を固定するためにしようした

     り、短絡防止の為に使用します。

         

  

    ・卓上作業 パソコン分解修理用 耐熱マット

     机を傷つけたり、汚さないように耐熱マットを用意しましょう。

     amazonで耐熱マットで検索するといっぱい出てきますので、

     自分の好みのものでいいでしょう。

 

 

  2)分解

    分解はまず筐体左右のネジ4本を取ります。

 

       

    

 

    次に背面の赤丸で示した黒ネジを全て取ります。

    

 

    増設ボードがあればこの段階で取り外します。

    

    

    これで筐体上部のカバーと背面パネルが外れます。

    

 

    次に下図の青丸8つのネジと赤丸6つのネジを外します。

    

    赤丸と青丸でネジの種類が違います。

    
    

    ネジを外すと上部のプレート2つが外せます。

    

 

    次にFDDに接続されているケーブルを外します。    

    

 

    これでFDDが取り外せます。

    

    FDDにはジャンパーピンで0,1,2,3のドライブ指定ができます。

    私はFDX68を使用しており、FDX68を0,1としているため実機の

    ジャンパーは下図のようにDS2,DS3としています。  

    

 

    次に増設基板からマザーボードに繋がっているケーブルを外します。

    

 

    増設基板からのケーブルを外すと、マザーボードに伸びる2つの末端が

    白いケーブルと、電池ボードに伸びるFDDケーブルを外します。末端が

    白いケーブルは線を持って引っ張るのではなく、必ずプラスティック部分

    の左右を持って左右上下にゆっくり揺らしながら外すと対して力を入れず

    に外す事が出来ます。断線しないように細心の注意で外します。 

    

 

    これで増設筐体部位が取り外せます。        

    

 

    

    次に、映像ボードを取り外します。    

    映像ボードを取り外すにはケーブルを取り外す必要がありますが、爪が

    あり左右に抉っただけでは外し難いです。その為下図のようにスペーサー

    など細く平たいものをツメの部分に軽く差し、左右に抉ると外しやすい。

    ツメは2か所あるので細心の注意で外します。

    

 

    映像ボード

    

 

 

    次に電池が付いているボードを外していきます。

    右にフラットケーブルがあるので、ツメを開き外します。

    ケーブルは短くきついので、無理せず慎重に行いましょう。

    青丸2か所のネジを取り、赤丸4か所のツメを外します。

    

    ツメはペンチで挟んだ上でボードを引き上げると容易に外す事が出来ます。

      

  

    電池ボード

    

 

    次にスピーカーを外します。

    スピーカーは外枠のプラスティックを下図のようにずらすと外せます。

    

 

    続けてマザーボードや電源に伸びるFANのケーブルなど各ボードに伸びる

    ケーブルを外します。中には先の説明にあったようにツメで止まっている

    ものなどあるので、スペーサーなどを使用して外します。

    また下図青枠で囲まれたものはハンダで留まっているので外せません。

    無理に取ろうとして壊さないように注意しましょう。

    

       

    

 

    これで、スピーカーと電源部位が外せます。

      

 

    次にFANを外します。

    FANはボルトナットで止められているのでナットを抑えてボルトを外す。

      

 

   FANが外せると、スイッチ基板が外せます。

   

 

   これで漸くマザーボードを外せます。

   青丸3か所のネジと赤丸3か所のツメを先の要領で外します。

   

   マザーボードも取り外せたら、次にコンデンサを洗い出します。

   

 

2.コンデンサの洗い出しと購入

   コンデンサを各ボード毎に洗い出します。

   下記コンデンサの内、2024年3月現在終売又は非常に手に入り難いものが

   あります。

   10v33μFは50v33μFで代替可能

   16v10μFは50v10μFで代替可能

   

   また、私は10v33μFを2024年4月現在で499個所有しているので無料で

   お裾分けすることも可能です。@go_go_syoutanにDM下さい。

   ただし、送料は着払いとさせて下さい。

     

 

    必要なコンデンサ種類と数が洗い出せたら、各種ショップで購入します。

    私は共立エレショップさんで下記のように買い物をしました。

    予備も踏まえ、実際に洗い出した個数より多く買っています。

    

    【ご注文明細】

     1.品名:105℃品 電解コンデンサ 10V 100μF[RoHS]

      型番:1AUTWE101M0

      数量:6 x 価格:¥18 = 合計:¥108

     2.品名:105℃品 電解コンデンサ 10V 1000μF[RoHS]

      型番:1AUTWE102M0

      数量:2 x 価格:¥66 = 合計:¥132

     3.品名:105℃品 電解コンデンサ 10V 47μF[RoHS]

      型番:1AUTWE470M0

      数量:11 x 価格:¥18 = 合計:¥198

     4.品名:105℃品 電解コンデンサ 16V 100μF[RoHS]

      型番:1CUTWE101M0

      数量:3 x 価格:¥27 = 合計:¥81

     5.品名:105℃品 電解コンデンサ 16V 22μF[RoHS]

      型番:1CUTWE220M0

      数量:3 x 価格:¥18 = 合計:¥54

     6.品名:105℃品 電解コンデンサ 16V 33μF[RoHS]

      型番:1CUTWE330M0

      数量:3 x 価格:¥18 = 合計:¥54

     7.品名:105℃品 電解コンデンサ 16V 470μF[RoHS]

      型番:1CUTWE471M0

      数量:3 x 価格:¥55 = 合計:¥165

     8.品名:105℃品 電解コンデンサ 16V 47μF[RoHS]

      型番:1CUTWE470M0

      数量:4 x 価格:¥18 = 合計:¥72

     9.品名:105℃品 電解コンデンサ 50V 1μF[RoHS]

      型番:1HUTWE010M0

      数量:14 x 価格:¥18 = 合計:¥252

     10.品名:105℃品 電解コンデンサ 50V 4.7μF[RoHS]

      型番:1HUTWE4R7M0

      数量:2 x 価格:¥18 = 合計:¥36

     11.品名:105℃品 電解コンデンサ 50V 10μF[RoHS]

      型番:1HUTWE100M0

      数量:11 x 価格:¥18 = 合計:¥198

     12.品名:電解コンデンサ 10V 33μF (500個入) ■限定特価品■

      型番:10YK33M-500P

      数量:1 x 価格:¥1,000 = 合計:¥1,000

    【お買上金額】

     商品金額:¥2,350

     送料:¥550

     手数料:¥0

     クーポン値引き:-¥0

     注文金額合計:¥2,900

  

    ※10v33μFは代替品で良かったかもしれない。

     そうすれば送料込みで2000円以内で済んだと思います。

     終売品の為一応確保しました。

 

3.コンデンサの交換

   コンデンサ交換は取り付け場所と極性さえ間違いなければ、問題なく行える

   と思います。慎重にじっくり時間をかけて、何度も見直しを行いましょう。

  

   ①マザーボードのコンデンサ交換

    ハンダが非常に溶け辛いので、まずボード前面のコンデンサ足部分のハンダ

    をハンダ吸い取り線で吸い取り、裏面をハンダ吸い取り器で吸い取る。

    うまくいけばこれでハンダが取れるが、それでも取れない場合は、一旦ハン

    ダを盛り(低融点ハンダが良いらしいが私は持っていない)、それから

    再度ハンダ吸い取り器で吸うと綺麗に取れる事が多かったです。

    くれぐれも、熱を与えすぎたり、無理して引っ張ってランドを剥がす事の

    無いよう注意しましょう。

    

    

 

   ②電池ボードのコンデンサ交換

    マザーボードと同じくハンダが非常に吸い取り辛い。
    同様に時間をかけて壊さないように慎重に行いましょう。
    また、電池は代替品が2024年現在では無いようです。
    気になる人は既製品でうまくやるか、取ってしまっても問題ないようです。
    私は液漏れの危険性もありますがそのままとしました。

    

 

 

   ③前面パネル(スイッチボード)のコンデンサ交換

    ハンダが非常に吸い取りやすい為、苦労なく交換できると思います。

    

    

   ④映像ボードのコンデンサ交換

    数は多いが、スイッチボードと同じくハンダは吸い取りやすい。

    慎重に行えば問題なく交換完了できると思います。

    

 

   ⑤最終確認

    全てのボードの交換が終わったら、再度極性など問題無いか確認を行う。

    人間ミスするので、ここは時間をかけて確認しましょう。

 

 

4.組み立てと動作確認

  組み立ては1-2)の逆を行えば良いだけなので難なく行えると思います。

  繋ぐケーブルが多いので、忘れずに!

  最後に動作確認をして問題なければ終了!

  末永くX1を愛でて欲しい!!!

  

 

  うまく動かな場合は、組み立てミス、ケーブルの接続忘れなどをまず確認して

  下さい。それでもダメな場合はコンデンサの実装状況を再確認。

  それでもだめなら。。。修理業者様を探す方が早いかもしれない。。。