夫は必ず一泊で帰って来るので、それほど夢中になっている様子は見られない。ただ映画の夫婦割りチケットを、ポケットの中から見つけた事があった。涼子は一緒に観た記憶など無いから吃驚して、そ のまま洗濯機を回してしまったことがある。
夫婦割りは男女の関係、間違っても男同士ではない事は分かる。これを問えば夫婦間に亀裂を及ぼすのは確かなので、咄嗟に粉々にしてしまったのだ。
何故なんだろう・・私も潜在的には、恋焦がれて誰かに抱かれたい気持ちもあるのだろうか? そんな落ち着かない時は、可愛い猫の温もりが心穏やかにしてくれる。膝に乗せて珈琲一杯が気持ちを楽にしてくれるのだ。
夫から「今日は夜勤」とLINEが入ると同時に、条件反射のように人恋しくなってしまう自分が存在してしまう。夜勤が本当だとは思えないが・・そんなに60過ぎの夫がいいのだろうかと思う。私は夫に対して興味が無いが、ただ健康で居てほしいとの願いはある。
相手はどんな女かと・・ふと男はいつまでも若い女性が好きだと想像を膨らますけど、意外に同世代の飲み友達くらいの関係とも思える・・それは変わらない付き合い方が物語っている。
私も素敵な相手が居ればどんなに癒されるかと今では思うほどに、自分の過去の出会いを振り返ってしまう。
女の幸せとは何だろう、結婚する幸せ、子を生む幸せ、子供の成長、家庭のやすらぎ・・今考えると愛が欠けていたかも知れない。
住みよい生活を維持し、想い出作りに追われていた。愛が置き去りになっている現実、再び愛を追及することは間違いなのか ? もし人生やり直し出来れば、駆け落ちのような愛が欲しい・・と馬鹿な想いが横切っては夢から覚める。つづく