いざ社会に戻ってみると、刑務所の生活がいかに楽であったのか物凄く実感する。

 

これは、刑務所経験者なら共感して頂けると思う。

 

出所して5分で、水を飲む為にも、まずはコンビニに行き後ろの棚まで商品を取りに行きレジまで持っていかなくてはならない。この当たり前の行動にも僕は滅茶苦茶大変だった。フラフラして倒れそうになってしまった。

 

その他、家族との関係、悪友との関係、内妻との関係、これから社会で生きて行くのに必死であるのに、どれから処理していっていいのかわからない。いっそのこと死んで消えてしまいたくなる時がたまにある。

 

たまに世間稀にみる凶悪事件、大阪心斎橋無差別殺傷事件など記憶に新しいと思うが、この犯人は、刑務所からでても生活が出来ず自殺しようと思ったが死にきれず死刑になりたかったが為に無差別に2人の人の命をナイフにて奪った事件である。

 

本当に受刑者の社会復帰とは生半可なものではないと身を染みて理解できる。

 

正直、僕も同じようにしたくなった日もあったが、最終的に頭に浮かぶのは内妻や家族の悲しむ顔であった。

 

刑務所では、どんなに暴れようが、叫ぼうが、刑務官をぶっ飛ばそうが、ハムスターの小屋に餌が差し入れられるように、ご飯が3食部屋に勝手に入ってくる。シカトしようが、食器も回収される。水だって1歩歩けば蛇口がある。

 

こんな生活を送ってきたせいで、完全にドMな体質になってしまったのかもしれない。

 

僕らにとって出所とはゴールだと錯覚してしまうのだが、思いっきりスタートなのである。それもスタートラインにさえ立てていないのだ。いや片足がもげていると言ってもいいぐらいだろう。

 

面接しても空白時間を突っ込まれ不採用の連続。無差別テロを起こしたくなる気持ちも僕にはよくわかる。

 

刑務所に戻りたかったから・・・とくだらない事件を起こす人間が後を絶たないのもよくわかる。

 

今の刑務所のシステムじゃ更生に向けてほとんど機能していないのだ。

 

僕自身もそうなのだが、この現実を社会の方々に知って欲しいし、国全体で考えていかなくてはならない問題なのだと思う。

 

こんな事を書くと、税金泥棒だとか罵詈雑言を社会から浴びてしまうのは理解できるが、泥沼にはまってしまうと本当に抜け出せなくなってしまう。

 

頑張っていかなくては・・・