台湾 次期総統候補逮捕
鄭文燦前桃園市長収賄容疑 民進党衝撃
頼清徳政権に激震が走った。
桃園市長や行政院(内閣)副首相を務め、民進党の次期総統候補と目された
鄭文燦氏(57歳)が桃園市長時代に土地開発を巡って賄賂を受け取った容疑で
昨日、桃園地方検察に逮捕された。
鄭文燦氏は容疑を否認、裁判所は検察の拘留申請を却下し、
鄭氏は夕方500万元(2500万円)を払って保釈された。
裁判所を出る際、容疑についての報道陣から質問には何も答えなかった。
鄭氏は市長時代の2017年、50ヘクタールの農地の再開発計画を巡って、
世界7位の巨大石油化学メーカーの台湾プラスチックから500万元の賄賂を
受け取った収賄容疑が持たれている。
大学時代から民主化運動に参加して頭角を表わし、
民進党入党後は、桃園県主任や内閣新聞局長などの要職を歴任、
桃園県議会委員を経て2014年から2022年の2期8年桃園市長を務めた。
市長時代の支持率も高く、蔡英文総統の信任も得て、次期総統候補と
目されるまでになった。
現在は、対中窓口機関の海峡交流基金会の理事長を務めている。
今回の事件について、台南を訪れていた頼清徳総統は、
「所属政党や誰であれ、容疑があれば厳正に捜査を受ける。
何人も甘やかされることは許されない」と述べ、
「政府は公正さを持って、国民の期待に応える」と強調した。
容疑については今の段階では分からないが、鄭氏の逮捕は頼政権と民進党に
深刻な打撃を与えたことは間違いない。
国民党は鄭氏の海峡交流基金会理事長の辞任を要求した。
権力の座に就いて民進党が国民党化しているのか、立党の精神に還れ。