世界市民法廷 習近平を裁く
侵略やチベット、ウイグルに対する人道犯罪
近隣諸国の領土や領海を侵略しようと武力紛争を犯しても
その国の指導者が裁かれない。
自国民を弾圧したり、裁判もなしに強制収容所に投獄しても
その国の指導者が裁かれない。
こうした状況を放置すれば、紛争は戦争に発展し、
弾圧は虐殺や民族浄化に拡大する。
こうした指導者や政府の罪を黙認しない、
こうした市民の意思を世界に向けて発信するのが世界市民法廷で
2000年5月に誕生した。
法的権限を持たない国際法廷だが、市民の訴えを
各国の上級裁判官、検察官、弁護士が参加して、
その国の裁判所が処理できない、または処理する意思のない事件を審理する。
世界市民法廷は昨日、習近平国家主席を人道に対する罪で
明後日(7日)からオランダのハーグで審理を開始すると発表した。
審理の対象となるのは、
*台湾の人々の自決権の侵害
*フィリピン、オーストラリア、日本などの近隣諸国に対する侵略犯罪
*チベットにおける人道に対する罪、新疆ウイグル自治区のウイグル人に対する
ジェノサイドに関する告発である。
裁判は検察・弁護側が弁論を行い、12日に結審する予定となっている。
新疆ウイグルでは100万人を超える人々が強制収容所に投獄され、
村名は次々と中国名に変更されている。またウイグル文字の使用を制限して、
簡体字の使用を強制している。これは漢族がウイグル族を支配・管理しやすく
するための施策と見られている。
15年前の5日、新彊ウイグル自治区では市民と武装警察が衝突、
220人以上が殺され、その後中国共産党によるイスラム文化や伝統の抹殺が
始まった。弾圧を指示したのは権力を掌握した習近平だった。
世界市民法廷に対しては「被告人のいない欠席裁判」との批判もあるが、
自国の司法が独裁者の「人道犯罪」を裁くことのできない現状を黙認しないという
市民の意思を世界に発信する貴重な場であるという評価が定着している。
独裁者は犯罪者という認識を普遍化するためにも、
習近平やプーチン、金正恩は”犯罪者”との裁きが必要だ。