習近平と軍の権力闘争決戦へ | 洋左右的人生

習近平と軍の権力闘争決戦へ

 

      1年で12人の最高幹部粛清、最側近も

 

「権力は銃口から生まれる」毛沢東が残したこの言葉は、

中国共産党の権力は銃口(人民解放軍)から誕生するとして、

軍と共産党は不可分の関係にあると示唆している。

 

1949年、中華人民共和国成立以降、鄧小平や江沢民、胡錦涛などのトップは

人民解放軍の上に立つ軍事委員会主任を務めた。

このため、軍は共産党の為に動くことを義務付けられている。

 

この党と軍の関係に亀裂が生じていて、裂け目がどんどん広がっている。

 

中国の李尚福元国防相は中国共産党から除名された。 (ロイター)

         (李尚福前国防相、昨年10月に汚職容疑で解任)

 

中国の魏鳳和元国防相は中国共産党から除名された。 [AP通信]

            (魏鳳和元国防相 去年退任後消息不明に)

中国共産党は昨日、李尚福前国防相と魏鳳和元国防相の党籍を剝奪したと

発表した。国防相経験者が2人同時に共産党から追放されるのは初めてで、

腐敗一掃を掲げる習近平国家主席と軍上層部の権力闘争の結果と見られている。

 

共産党中央委員会政治局は2人を犯罪容疑者として、軍事検察院に移送し、

審査(取り調べ)と訴追を行うことを決定した。

 贈収賄の容疑を掛けられた2人が訴追されるのは予想されていたが、

訴追の前に党籍剥奪という処分は軍に衝撃を与えた。

 

習一族の軍の将軍とされる魏鳳和氏は、今月27日に中国共産党によって党から除名された。 (ロイター)

特に魏鳳和元国防相は「習の将軍」と言われた人物だったからだ。

習近平は2012年、共産党総書記に選出された直後、

異例の軍幹部に対する授与式を行い、魏氏を唯一人最高位の上将に任命した。

いわば習近平の子飼いである魏氏が軍と党から追放されたのである。

 

習近平の軍に対する摘発(権力闘争)が最終局面に入ったと米メディアが報じている。

17日から19日にかけて陝西省延安市で中央軍事委員会政治工作会議が開催されたが、中国共産党総書記の習近平(右から2人目)は、銃は党に忠誠を誓う者の手に委ねるべきだと強調した。 (新華社通信)

ウォールストリートジャーナルは先週、陝西省を訪れた習近平軍事委員会主席が

軍事工作会議を開き、軍の腐敗一掃を改めて指示(命令)したと報じた。

 

習氏はこの時、「銃身は常に党に忠誠を誓い、信頼する人々の手に渡らなければならない」と述べた。会議が開かれた延安市は「革命の聖地」であり、

習氏はここで1927年に毛沢東が述べた言葉を引用したのである。

 

ウォールストリートジャーナルは、

「過去1年間で、軍と軍事産業のトップ12人が解任や拘束されている」として、

習は軍に対する摘発(闘争)を更に強めるよ指摘している。

 

腐敗の根源は独裁である、習近平自身がそのことに気づくことが先決だろう。