中国 公園で外国人4人刺傷
経済失速と愛国教育で高まる排外主義
日本ではこのところ、刃物による殺傷事件が頻発している。
「恨み」や「トラブル」による犯行ばかりではなく、
「面識はなかった」「誰でもよかった」などというのだから、防ぎようがない。
中国では、同じ場所に居た外国人4人が刃物で刺される事件が起きた。
中国吉林省の公園で10日、外国人4人が何者かに刃物で刺され、重傷を負った。
吉林省は事件の状況や外国人の国籍、犯人像について一切公表せず、
SNSで事件直後の様子が明らかになった。
この投稿はその後削除されている。
事件について、SNSでは「義和団がやって来た」「義和団を思い出せ」といった
排外主義的なコメントが寄せられている。
義和団事件とは、1899年欧米日本など列強の進出やキリスト教布教に抗議した
民衆が宗教結社の「義和団」と共に北京の外国公館や外国人を殺傷した事件である。
米国在住の中国人研究者は、
「中国では長らく民族主義感情や被害者意識に縛られ、
やがて極端な排外主義へと向かうグループがある。
「超国家主義がこの種の狂人を生む」とコメントした。
台湾の専門家は、「習近平が進める愛国主義教育と経済の失速が結びついて
排外主義を産む機運が高まる可能性がある」としている。
中国では2000年生まれの「00世代」が愛国主義教育により、
社会主義を理解できないまま共産党を熱烈に支持する「リトルピンク」に染まる
若者が多いとされている。
2023年、中国・清華大学の閻雪教授は
「2000年以降に生まれた中国の大学生は世界を高いところから見る
優越感を持っており、西洋を悪の代名詞と見なし、中国だけが公正で無垢な国である
と固く信じ、インターネットで精力的に発信すると述べている。
「領土は広いが心は狭い」私が言った言葉ではない、
日本に住む誠実な中国人の吐露である。