台湾 墜ちた英雄
北米台湾教授会 黄国昌氏の授賞取り消し
台湾の立法院(国会)で、国民党と民衆党が手を組んで、
総統の権限を弱体化させる法案を強行採決したことに
各国が関心を寄せている。
中でも、台湾の防衛を担う米国は、頼清徳総統就任以来、様々なグループが
台湾を訪問して、台湾の動向を注視している。
頼清徳総統を表敬訪問した超党派の米下院外交議員団は、
立法院の混乱について、
「民主主義の下での意見衝突」としつつ、
「その結果、台湾がどうなるかに注目している」と述べ、
頼総統への支持を改めて強調した。
「国民党と民衆党のやることを米国は見ている」というメッセージだ。
国民党と民衆党が強行採決した法案に対しては、
国内の政治学者や法学者、憲法学者など各界の専門家がこぞって反対や撤回を
求める抗議声明を出している。
米国で活動する台湾人の学者や教授で組織する北米台湾教授協会(NATPA)は昨日、
民衆党の黄国昌委員に授与した記念賞を全会一致で取り消すと発表した。
NATPAは2014年3月、国民党の馬政権が中国からの投資を呼び込もうとして、
「サービス貿易協定」の法案を強行採決しようとした時、
学生たちが立法院を占拠した「ひまわり学生運動」を
「台湾の民主主義を守った」と高く評価した。
NATPAは、運動の精神的リーダーだった黄国昌氏に
第1回の廖淑中教授記念賞を授与した。
黄氏はこの受賞を機に新政党「時代力量」を結成し、党首に選出された。
黄氏はその後、時代力量を離党して民衆党に入党、
今回かつて「台湾の敵」とまで呼んだ国民党と手を組んだ。
NATPAは黄氏の言動を厳しく非難、
昨日、「台湾の民主主義を損ない、弱体化させた」として、
全会一致で黄氏に与えた賞を取り消すと発表した。
毀誉褒貶、手のひら返し、変節、信条を変えることは
往々にして「裏切り」と映るものだ。