「台湾と中国は隷属しない」支持74%
頼清徳総統演説の世論調査
中国の内政干渉で起きている立法院の混乱について、
昨日も台湾全土で10万人以上が国民党と民衆党へ抗議の声を上げた。
台湾世論基金会は昨日、
頼清徳新総統の就任演説に対する世論調査の結果を発表した。
5月20日に行われた就任式で頼清徳新総統は、
「台湾海峡の現状は維持する」
「対等な立場で中国と話し合う用意がある」と蔡英文前総統の路線継承を強調した。
その一方で、
「中華民国は主権国家である」
「台湾と中国は互いに隷属していない」と中華民国(台湾)の主権を訴え、
これまでにない外交姿勢を示した。
この演説に対する世論調査では、
*演説全体に対しては、
満足・・・・51%、不満・・・・19%、分からない・・・29%、無回答・・・・1%
*中華民国(台湾)と中国は互いに隷属していないに対しては、
満足・・・・74%、 不満・・・・16%、分からない・・・・19%という結果だった。
蔡英文前総統より中国に強気な態度を日本を含む海外メディアは危惧したが、
国民の多くは頼総統を支持した。
立法院では昨日、国民党と民衆党が「国会改革法案」を強行採決した。
これに対し、15の県と市では合わせて10万人以上が抗議の声を上げた。
台北の立法院前では、「拒絶中国干政」(中国は内政干渉するな)と書いた
大きなバルーンが立法院に投げ込まれた。
(民衆党の柯文哲党首)
今回の騒動で、国民党と手を組んだ民衆党へ厳しい反応が出ている。
美麗島電子版が支持層が最も多い30歳前後に行った世論調査では、
「好感度」が13%減り、「嫌悪感」が28%増えた。
また、40歳以上でも
「好感度」が8%減り、「嫌悪感」が6%増えた。
この人も怒りの声を上げている。
金馬賞助演男優賞を受賞した名優陳慕義氏だ。
陳氏は昨夜、高雄市で行われたデモに参加して、
「国会の混乱は残念だ」と述べると共に、
「国民党と民衆党は犯罪を犯している」と厳しく批判した。
デモ参加者は「民衆党が台湾の灯を消した」「小党は消える」と
民衆党への怒りを露にしている。