袴田事件 検察再度死刑求刑に疑問 | 洋左右的人生

袴田事件 検察再度死刑求刑に疑問

 

        高裁「証拠捏造の可能性」に反論

袴田事件とは、1966年(昭和41)6月6月30日、

静岡県旧清水市で味噌製造会社の専務一家4人が殺害され、

金品を奪われ、自宅が放火された強盗殺人放火事件のこと。

警察は7月4日、会社の従業員である袴田巌の部屋から血の付いたパジャマを

押収、8月18日に袴田を殺人容疑で逮捕した。

取り調べは8月19日から9月6日まで、合計190時間行われた。

中でも9月4日の取り調べは16時間20分に及んだ。

袴田容疑者は犯行を”自供”したが、

11月15日の初公判で全面否認し、無罪を主張した。

翌1967年8月31日、従業員が味噌タンク内から血染めの衣類5点を”発見”

1968年5月9日検察が袴田被告に死刑求刑 

同年9月11日、静岡地裁が死刑宣告

 

袴田智。 写真提供:The European News Agency

         (再審請求が認められ釈放された袴田死刑囚)

この事件、疑問は幾つもある。

なぜ、事件から58年、死刑判決が出て、再審請求が何度も棄却されたのに、

刑は執行されなかったのか。

 

さらに、2023年3月13日、東京高裁は、

「衣類のほかに袴田を犯人と認定できる証拠はなく、確定判決の認定に合理的な疑いが生じることは明らか」として、再審開始を認める決定したが、

東京高検は特別抗告を断念した。

にも拘わらず、2024年5月22日、再審公判で検察は再度死刑を求刑した。

 

東京高裁が再審を認める根拠となったのは、

事件1年後に味噌タンク内から見つかったとされる赤い血の付いた衣類だ。

科学鑑定から味噌に1年以上漬かると、血は変色し血液の赤身は残らない

事が判明、

「血の付いた衣類は捏造の可能性が高い」との見方を高裁も支持したのである。

 

ところが検察は昨日の公判で、

味噌に浸した服に赤い血痕が1年以上残っている可能性がある」と述べ、

血まみれの服は袴田さんが犯行時に着ていた服だと主張した。

判決は9月26日に言い渡される。

なぜ、検察は特別抗告を断念しながら今回、死刑を求刑したのか。

 

個人的には、裏金議員を不起訴にした検察の悪あがきとしか見えない。

仮に面子に拘った結果なら、最悪の人権侵害かも知れない。

皆さんはどう思われますか。