台湾国会混乱に怒る若者たち
3万人国会包囲「ひまわり運動の再来だ」
今年1月の総統選挙と同時に行われた立法院選挙の結果で、
今、国会(立法院)で起きていることはある程度予測されていた。
政権は民進党が担うが、国会は連携した国民党と民衆党が過半数を
占めるという「ねじれ」が起こったからだ。
それにしても、国民党と民衆党のやり方は酷すぎる、
両党が提出した複数の「国会改革法案」は、
国会の権限を拡大して、総統と総統が任命した内閣(政府)の権限に
ブレーキをかけ、外交も含めた実質的な国策を国会で決めようとする内容である。
つまり、総統選挙で敗れた国民党と民衆党が、総統の権限を大幅に制限しようと
目論んだのが「国会改革」と称した法案なのだ。
しかも、国民党と民衆党のやり方が実に姑息だった、
法案は採決直前に提出され、殆ど審議されずに採決を行うという
議会の常道を否定するものだった。
このため、民進党は激しく抗議、採決を阻止しようと議長席に突進、
国民党議員らと乱闘に発展した。
国民党と民衆党は民進党を「暴力集団」と非難、国民党の韓國愈議長は、
混乱を理由に、国会休憩を繰り返して「採決」のタイミングを計っている。
国民党と民衆党のやり方に怒った若者ら3万人が昨日、国会(立法院)を包囲した。
若者らは、「審議をしないのは民主主義ではない」として、
国民党と民衆党のやり方は、2013年馬英九政権が中国の投資を呼び込もうと、
「サービス貿易法案」を3分審義、1分採決を強行しようとしたのと同じだと非難、
「ひまわり学生運動の再来だ」としてひまわりの花を掲げた。
国会を包囲した3万人は、国民党と民衆党に「審議を尽くせ」と訴え、
2013年の時歌われた「島嶼天光」(この島の夜明け)を熱唱した。
米国も国民党と民衆党の動きを注視している。親中派が本性を表わしつつある。