スロバキア首相銃撃で欧州緊張 | 洋左右的人生

スロバキア首相銃撃で欧州緊張

 

         EU内の親ロシア、ハンガリーも

中部ヨーロッパのスロバキアで昨日、

ロベルト・フィツォ首相が、地方で行われた会議に出席後、

屋外で支持者と話をしている最中に銃撃され、意識不明の重体となった。

 

フィコが建物の外で話していると、数発の銃声が鳴り響き、彼は撃たれて地面に倒れた。 [AP通信]

フィツォ首相59歳は、元共産党員でこれまでプーチン支持を公言し、

昨年9月の選挙で勝利した直後にウクライナへの武器支援を停止した。

 

さらに、ウクライナ支援国を「戦争屋」と呼ぶなど

ハンガリーのオルバン首相と共に、EU内でロシアを支持している。

フィツォ首相はまた、LGBT運動を罵る発言を繰り返して、

人権活動家などから批判されていた。

 

スロバキアの親ロシア派ポピュリストのロベルト・フィコ首相は15日、同国中部の町ハンドロバで銃撃され負傷し、病院に搬送された。 (ロイター)

                   (事件直後の現場の様子)

フィツォ首相は、車で首都のブラチスラバに搬送されようとしたが、

意識不明になったため、急遽ヘリで近くの病院に運ばれた。

 

スロバキアのフィコ首相は15日に銃撃されたと噂され、その後現場で1人が逮捕された。 ロイター

現地メディアは、銃を発砲した71歳の男の身柄を確保したと伝えたが、

動悸などは分かっていない。

 

スロバキア・フィコ首相。 ロイター

BBCや仏通信社は、フィツォ首相はこれまでも大規模な汚職に関与したり、

「プーチン大統領がスロバキアに来ても戦争犯罪人として、逮捕されることはない」と

述べるなど、プーチンを擁護してきたと伝えた。

さらに去年の選挙では、ロシアの介入があったと疑われているとも報じている。

 

スロバキア大統領選挙の結果が発表され、親ロシア派のピョートル・ペレグリーニ候補が当選した。 (AFP通信)

スロバキアでは、今年4月の大統領選挙でもロシア支持を表明する

ピョートル・ペレグリー二候補が当選したが、この時もロシアの介入が指摘されていた。

 

12日、何千人もの人々がスロバキアの首都の街頭に繰り出し、ウクライナへの支持とスロバキア政府の親ロシア路線への不満を表明した。 (ロイター)

スロバキア国内では、選挙結果に疑問を抱く市民やウクライナ支持者による

抗議デモが度々起きていて、首相銃撃事件はこのような緊迫した状況下で起きた。

 

中部ヨーロッパでは、ハンガリーもオルバン首相がウクライナ支援に反対を表明し、

民主派と対立を深めている。両国はエネルギーの大半をロシアに依存しているが、

それ以上に、旧共産党勢力が残存していると言われている。

 

ロシアのウクライナ侵略が、欧州に政治的緊張を産みだしていることは間違いない。