習近平を歓迎しない欧州 | 洋左右的人生

習近平を歓迎しない欧州

 

   5年前とは一変、仏メディア「赤絨毯は人民の血」

 

フランスと中国は今年国交樹立60年を迎えた。

西側主要国でいち早く中華人民共和国(共産党)を認めたのがフランスで、

これは冷戦が進行した当時、「歴史的な事件」とまで言われた。

米国一極支配に反発した毛沢東とドゴールの思惑が一致した結果だった。

 

習近平国家主席の欧州訪問は、フランス訪問の最初の訪問地であり、そこで彼はデモや抗議に遭遇した

5年ぶりのフランス、満を持しての訪問だった。

ところがフランスは雨以上に冷たかった。

 

シャンゼリゼ通りでは、習近平を歓迎する人はほとんどいなかった。 (写真は呉志忠氏のフェイスブックより引用)

5年前、歓迎の人波があったシャンゼリゼ通りは閑散として、

中国国旗を持った中国人の2グループがいるだけだった。

 

中国の習近平国家主席が6日にフランスを公式訪問することに抗議した「フリーチベット」活動家らは4日、フランスの首都パリのランドマークである凱旋門の前に中国共産党の大量虐殺を非難するプラカードを掲げたが、警察によって撤去された。 [AP通信]

空港からパリ市内に通ずる道路の至る所には、

チベットやウイグルでの虐殺に抗議する横断幕が掲げられた。

 

パリのレピュブリック広場は5日、習近平国家主席の訪問に抗議する人々でごった返し、抗議者たちはさまざまな反習や風刺のスローガンを掲げていた。 (AFP通信)

パリ市内の共和国広場には、

弾圧や虐殺に抗議する人々が欧州各地から大勢集まり、

「習近平はもう終わりだ」と叫んだ。

 

雨より習近平に冷たかったのがフランスのメディアだ。

フランス代表の呉志忠氏は6日、LCIテレビの映像を共有し、フランス人記者が「習近平のレッドカーペットを、政権が人民の血を殺してできた川のように歓迎する」と口を酸っぱくして明らかにした。 (写真は呉志忠氏のフェイスブックより引用)

テレビLCIの記者は、習近平の為に空港に敷かれたレッドカーペットを

「共産党によって殺された人民の血の川のように見える」とコメントした。

他の欧州メディアは、「フランスメディアがこんなに冷たいとは」と報じた。

 

中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が6日にフランスを訪問し、国境なき記者団のメンバーは6日、パリの凱旋門近くで中国がジャーナリスト119人を拘束したことに抗議した。 [欧州通信社]

国境なき記者団は、中国が拘束している119人の記者を直ちに解放するよう

アピールした。

 

習近平:「フランスが「仏・オーストリア・中国の三者会談」に参加 会場の外でデモを行い「習近平アクションドラマ」を披露

習近平と会談したEUのフォンデアライエン委員長(右)は、

*EUと中国の経済関係は正常とはいえない

*中国は多額の補助金を付けて製品をEUに輸出している

*EUの港の埠頭には、膨大な電気自動車が滞留している

*こうした結果、EUは毎年巨額の貿易赤字を出している として

「我々は公正を求めて行動する用意がある」と中国に貿易不均衡の是正を要求した。

さらに、

「ロシアに手を差し伸べるのではなく、ウクライナ侵略を止めさせるよう働きかける

べきだ」と直言した。

 

中国の習近平国家主席(左)は5日夜にフランスに到着し、6日にフランスのエマニュエル・マクロン大統領と会談し、中国、フランス、欧州の三者会談を行った。 (ロイター)

フランスと中国はパリ五輪中、ウクライナ戦争の休戦で合意、

中国はロシアに武器売却は行わないと表明した。

会談が行われたエリゼ宮の外では、デモ隊が

「早くフランスから出て行って」とシュプレヒコールを上げた。

 

習近平はこのあとセルビアとハンガリーを訪問する。

中国は両国の首都を結ぶ高速鉄道建設を受注している。