欧州 ロシアの脅威に対抗 | 洋左右的人生

欧州 ロシアの脅威に対抗

 

    英独は武器の共同開発、スウェーデンは派兵

 

ウクライナの苦戦が欧州を緊張させている。

米国の支援が大幅に減少したことで、弾薬や防空システムの不足に陥った

ウクライナは、東部戦線で後退、首都キーウやハルキウなど主要都市は、

ロシアのミサイル攻撃を受け続けている。

この事態に、欧州各国はロシアの軍事的脅威に対抗する動きを加速させている。

 

英国のスナク首相(左)は23日、ポーランドで、ロシア、イラン、北朝鮮、中国からなる「権威主義的な国家軸」がますます強くなっていると警告し、英国は2030年に防衛費をGDPの2.5%まで増やし続けると警告した。 (ブルームバーグ)

23日、英国のスナク首相と会談したポーランドのトゥスク首相(右)は、

英国からの武器援助と防衛費の増額を明らかにした。

そのうえで、「プーチン大統領がNATOの結束を甘く見れば、敗北する」と述べた。

 

英独首脳、自走砲の共同開発で合意 ウクライナ支援に向け

スナク首相は翌24日、就任後初めてドイツを訪問、

ショルツ首相(左)と会談して、両国がウクライナ支援を強化することで一致した。

また、両国はロシアの脅威に対抗するため、新型長距離砲を共同開発すると

発表した。

英国は今年度、過去最高となるGDPの2,5%の国防予算を決めている。

 

記者会見でのスウェーデンのクリスターソン首相(右)とラトビアのシリニア首相(左)。 [欧州通信社]

一方、先月NATOに正式加盟したスウェーデンのクリステンソン首相(右)は、

バルト三国のラトビアのシリニャ首相と会談し、

NATOの軍事任務の一環として500人の機械化部隊を

「半年間、ラトビアに派遣する」と発表した。

ラトビアは国民の28%がロシア系で、ウクライナ侵攻後ロシアに対する警戒心が

極めて高くなっている。

 

NATOの軍艦がスウェーデンの港を訪問する(写真はノルウェーのフリゲート艦「HNoMS Otto Sverdrup」、右)。 (NATO公式サイトより引用)

強力な海軍力を持つスウェーデンは、NATO加盟後バルト海でロシア海軍の監視を

強化している。

 

       (クロアチアに到着したフランスのラファール戦闘機)

旧ユーゴから独立したクロアチアは、防空能力を強化するため、

フランスからラファール戦闘機12機を購入した。

総額は5000億円で、クロアチアにとっては独立以来最大の軍事支出になる。

 

NATOは、2014年にロシアがクリミアを侵略した際、

加盟国は軍事費をGDPの2%に増額することを決定したが、

加盟国(当時30か国)で、実行したのは7か国に過ぎなかった。

 

欧州は今、ウクライナの苦戦を見て、改めてロシアの脅威を実感している。