台湾 特急が落石に衝突脱線
2輌脱線も乗客は無事 余震は900回超
花蓮地震から1週間、死者は16人、負傷者1100人、
行方不明者は3人となった。
花蓮県では昨日も震度4などこれまでに900回超の余震が続いている。
昨夜8時過ぎ(日本時間9時過ぎ)、台東発樹林行きの特急プユマ号が
花蓮県の和平駅を通過したところで、線路脇の落石に衝突、
先頭の2両が脱線した。
乗客乗員150人に怪我はなく、乗客は徒歩で和平駅に誘導された。
衝突したプユマ号は、先頭車両の車輪が破損して乗客は
「大きな音がして、車体がガタガタと揺れ怖かった」と衝突の瞬間を語った。
事故現場付近には、高さ1mほどの落石が数個あった。
事故の起きる数分前に花蓮ではM3,2の地震が起きていて、
落石はこの時に落ちたものと見られている。
台湾鉄道は、海岸山脈の急峻な山が線路に迫っている26か所に
落石警報システムを設置して走行する列車に通知しているが、
事故現場付近には設置されていなかった。
(3日の地震で落下した高さ2,5メートルの石)
(左は海岸山脈、右は太平洋の狭い鉄路が続く)
3日の大地震では、この警報システムが作動して、事故を未然に防いだと
評価されていたが、事故はこのシステムが設置されていない場所で起きた。
事故直後、台湾鉄道は警報システムの設置を見直すと発表した。
台北から花蓮に向かうと左手に美しい太平洋が広がり、
右手には険しい海岸山脈がぐんぐんと線路に迫って来る。
所々に落石を防ぐ鉄製のネットが設置されているが、今回のように大きな石を
止めることは出来ない。
ここを通るたびに、車窓から山の上の方に目が行ってしまう。