桜から桜の散歩 | 洋左右的人生

桜から桜の散歩

 

        仙川から成城へ、記憶の中の人々

 

満開の桜を眺めると、何故か記憶が蘇る。

桜が少ない北海道で生まれたので、桜を知ったのは東京へ来てからだ。

調布市の京王線仙川駅から世田谷区の小田急線成城学園前駅まで、

桜を眺めながら散歩した。

 

京王線仙川駅の桜は、改札口から5~6メートルに2本あり、

駅から最も近い桜として知られ、他所から大勢の人が見に来る。

去年はここで、ウクライナ支援の音楽会が開かれ、募金も行われた。

 

ここから成城方面へ徒歩で南下する。

途中の住宅地で見つけたタンポポより小ぶりな花(名前が分からない)。

昨日は薄曇りから晴れへと好天に恵まれ、散策する人が多かった。

仙川沿いの都立上祖師谷公園には、180本の桜が満開を迎えていた。

ここには、ソメイヨシノやエドヒガン、サトザクラに混じって、

米国ポトマック川公園から里帰りした桜もある。

ソメイヨシノもいいが、個人的にはこのオオシマザクラの白さが好きだ。

遊歩道は成城へと延びている。この道を毎朝、綺麗な姿勢でウオーキングしていた

寿司屋の御主人を思い出す。

2011年、東日本大震災の時、私は遅めの昼食をご主人の店で食べていて、

二人で表に飛び出した。

翌年、大病を患ったため店を閉めたが、1年後に亡くなった。

25年通った店はご主人と共に記憶のなかにある。

 

仙川沿いにある1軒の家。

東京の3大未解決事件の事件現場がそのまま保存されている。

2000年末に起きたこの事件は、お粗末な捜査で、すぐに行き詰った。

当時、ここから150メートルに住んでいたが、3か月過ぎた頃、

何度も聞き込みをしていた刑事が諦めたような表情で、

「最近、変わったことはありませんか?」と尋ねて来た。

数多くの物証を残したことで、「ホシ(犯人)はすぐに捕まえられる」(刑事の発言)と

高を括った捜査陣の判断がこの事件を未解決にしてしまった。

 

小田急線成城学園前駅のフードコートから都心方面を見る。

写真ではうっすらとしか見えないが、線路の左奥に墨田区のスカイツリーが見える。

帰りはバスに乗った。