台湾救った太陽花学生運動10周年
国民党と共産党が仕組んだ台湾併呑を粉砕
現在の台湾があるのは、この運動のお陰と言っても過言ではない。
2014年、国民党(馬英九)と中国共産党(習近平)は、
武力に依らず台湾統一を実現するべく、「サービス貿易協定」という
巧妙な罠を仕掛けようとした。
これは、中国と台湾が互いの市場を開放して、企業進出や人員の往来や居住を
保証するというものだった。
一見すると、両国の経済関係の密接化に見えるが、
内容は、低賃金の中国企業の台湾市場への参入を保障し、
共産党思想出版社の進出やこれら関係者の台湾居住が可能とされた。
香港生まれで台湾に何の愛着もない馬英九と、
毛沢東も出来なかった台湾統一を実現しようとした習近平の共謀だった。
各方面からの疑念や批判が次第に大きくなると、
馬はサービス貿易協定に関する立法院での法律の成立を
1法案の審議時間1分で採決という強行手段に打って出た。
これに危機感を抱いた学生らが2014年3月18日、
立法院にに突入、議員を排除して議場を占拠した。
当時野党だった民進党は、政権を批判するだけで何の行動も起こさなかったために、
学生たちが立ち上がったのである。
馬英九は、学生たちを非難して警察を動員して排除すると警告した。
これに対して、学生たちの行動を支持する動きが全島で湧きあがり、
3月30日には、50万人もの支持者が台北にある立法院付近を包囲して、
馬政権に抗議した。この時支持者がデモ参加者に配った花にちなんで
後に「太陽花(ひまわり)学生運動」と呼ばれた。
運動の指導者だった林飛帆氏は、
「我々は、あの協定を経済統合から政治統合へ進む一里塚と見抜いていた」と
当時を振り返った。
そのうえで、
「あの勝利から10年、2016年と20年の総統選挙で民進党が政権を獲得して、
自由と民主主義を守ることが出来た。中国依存から脱却した台湾は世界に
認められる国になった」と運動の成果を強調した。
中国人旅行者の大量受け入れや人民元を兌換紙幣に認めるなど
2012年の総統就任以来、媚中外交を展開していた馬政権は
この敗北により、2014年の統一地方選の惨敗と2016年総統選挙での
敗北を招いた。
先にも書いたが、香港生まれの馬には台湾への思いなど一片もない。
2012年、総統選挙に立候補を表明した馬に故李登輝氏は公の場で問うた。
「君は何人として出馬するのか?」
「はい、台湾人としてです」と答えた馬の慌てた姿が全国に流れた。
昨日、台湾のTVは太陽花運動10年について街頭インタビューを行ったが、
肯定的な意見がほとんどだった。
この運動が台湾の自由と民主主義を守ったのは確かである。
そして、この失敗を機に習近平が台湾への圧力を強め始めたのも確かである。